
Zoom後のリモートワーク
(前回からのつづき)Time Magazine誌の技術・ビジネス担当編集者であるPeter Allen Clark氏もまた「プライバシーやハラスメントに関する懸念が残る」と同様の感想を持つひとりだ。彼はアプリをデモする機会を得たのだが、同じくHorizon Workroomsを体験したVentureBeatのDean Takahashiと同様、オーディオ体験を高く評価していた。そしてそれ以上に今の状況が変化することに興味を持っていたようだった。こう感想を語る。
「考えてみると、あの空間であの技術を使ってかなりいい経験ができたと思います。ただ、これは目新しいだけに過ぎないかもしれないのでまだ判断は難しいかな。確かにリモートワークを始めて1年半が経ち、電話会議を体験する新たな方法を手に入れたことは正直なところ新鮮でした」。
彼は全ての電話会議をこれにするかは別として、いくつかのコールは試してみたいと語っていた。
パンデミック(そしてLamm氏はザッカーバーグ氏がメタバースという言葉を「共同利用」したと指摘していたが)という背景がなければ、今回の発表がこれほど話題になるとは考えにくい。実際、Horizon Workroomsに対する好意的な反応は、パンデミックや遠隔地での共同作業の代替手段を求める声が多かったからだ。実際、NewYork Times紙のテクノロジー・レポーターであるTaylor Lorenz氏は、このアプリの発表後にこんなツイートを残している。
「私は少数派かもしれませんがZoomよりもこちらの方が好きです。確かに物理的な存在感や共有スペースには、Zoomよりも明らかに劣るものがあります。一方で、もし私たちがリモート優先の未来に向かっているのであれば、特にクリエイティブな仕事をしている時はこういった共有スペースが今後の鍵を握ることになるでしょう。少なくとも、正しい方向への一歩だと思います」。
データ分析会社Sisu Dataの創業者であるPeter Bailis氏は本誌に対し「FacebookのHorizon WorkspacesやGoogleのProject Starlineのような、より没入感のある体験には大きな期待が持てます」と語る。Project Starlineとは、3Dで目の前に相手がいるように見えるビデオチャットツールのことだ。
「対面でのコラボレーションには再現が難しい具体的な何かがあります。このVRアプローチは、フルタイムの対面式ワークプレイスに必要な時間、手間、費用を必要としない、魅力的な中間的選択肢を提供することができる」とし、現在のリアルな場所はまだ、仮想的な仕事には最適化が進んでいないとその考えを示した。前出のDorkin氏もVRでの仕事について同意していた。
「VRツールは人々を結びつける可能性を秘めていると思います。しかし、私はFacebook以外の誰かが独自のバージョンを開発するのを待とうと思っています」(Dorkin氏)。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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