注目集まる「ペットの処方箋配達」——獣医診断市場に商機あり/GB Tech Trend

2,000万ドルの調達を発表したMixlab。Image Credit: Mixlab。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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今週の注目テックトレンド

過去10年弱、米国の処方箋デリバリー市場にはさまざまなプレイヤーが参入し、イノベーションが起きました。

リモート診察を受けた後は、オンライン上で処方箋が処理され、最寄りの薬局デリバリー事業者から自宅へ配達される仕組みが整いました。Amazonも本格参入し、薬局へ出向いて処方箋をもらうといった体験は代替されつつあります。

そして、これまで巨大薬局市場で起きていたオンライン化トレンドは「ペット市場」にも拡大しています。8月に2,000万ドルの調達を発表した「Mixlab」はその一例です。同社は動物薬局として、獣医師が薬を処方し、それをペットの飼い主に即日で届けることができるデジタルプラットフォームを提供しています。自社独自の調剤薬局を運営しており、味付けや量を調整した薬をオンデマンドで作る機能を有しているそうです。

TechCrunchの記事によれば、過去1年間、家にいる人が増えたことでペットのオンライン獣医師の診察回数も増加したとのことです。コロナ禍が医療体験のオンライン化を加速させたのは日本でも同様の現象が発生しました。続けて、世界のペットケア産業も活況で、2020年には2,080億ドルとされていたものが、2030年には3,430億ドルに達すると予測されています。

オンライン進出した医療サービス提供者が増加するとともに、オンライン処方箋事業者へのニーズも増加していくのがこれまでの対人市場で起こっていたトレンドです。実際に「PillPack」や「TruePill」が急成長を遂げています。

Mixlabが狙うのはまさにこのトレンド転換です。

これまでに動物病院市場の新興プレイヤー「Modern Animal」や「FirstVet」などが、事前予約やオンライン診察といったモダンな医療体験を提供しています。こういった動物病院市場がオンライン進出を遂げていく中で、最初に選ばれる処方箋事業者の座を狙っていると言えるでしょう。

今後は自社薬局拠点を他事業者にも解放し、APIで繋ぐだけであらゆる獣医師が処方箋デリバリーサービスを提供できるようになる、いわば「ペット処方箋版AWS」のような、獣医市場の機関システムとしての動きも果たすかもしれません。

「動物」と一言でいっても、犬や猫以外に種類は多岐にわたります。どんな種類の動物に対しての処方箋が注文されたとしても処理できる一大薬局システムが存在すれば、大いに使われると予想されます。世界中どこにいても安心して動物に処方箋を届けられるフルフィルメント需要とも言い換えることができますが、Mixlabが参入するのはまさにこうした市場機会です。

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