台湾の高齢者介護支援プラットフォーム「Jubo」運営、シリーズAで7.7億円を調達——日本などに進出へ

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Jubo を操作する介護士の皆さん
Image credit: Smart Ageing Tech(智齢科技)

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2018年に設立された台湾スタートアップ Smart Ageing Tech(智齢科技)はシリーズAラウンドで、Chia Hsin Cement(嘉新水泥)、Wistron Capital(緯創資通)、複数のエンジェル投資家から1億9,500万ニュー台湾ドル(約7.7億円)を調達したと発表した。このチームは、台湾政府科技部(日本の旧科学技術庁に相当)の「人口高齡化議題挑戦計画」に参加しており、中華文化特有の家族に配慮した介護システムを開発し、高齢者の安心、家族の安心、組織のケアを実現するための環境を構築している。

Jubo はローンチから3年足らずで200以上の介護団体から承認を受け、3,000人以上の介護士、ソーシャルワーカー、ケアアテンダントが毎日使用している。このシステムには、AI を使って高齢者それぞれの服薬状況を確認し、誤った服薬のリスクを特定し、介護者や薬剤師にリアルタイムで警告できる。AI は大量のデータを比較して数秒で結果を出せるため、専門家が薬の名前や用量を読み取って副作用を確認するという手作業に比べて大幅に作業が効率化される。

服薬管理の機能は Jubo が提供する AI の提供する機能の一つに過ぎず、これ以外にも、創傷認識、介護士のシフト管理など5サービスを現在開発中で、年内には合計10サービスが利用できるようになる予定。高齢者が介護施設で介護を受ける年数は平均9年間で、この間に蓄積されるデータは膨大なものになる。Jubo により多くのデータが蓄積・分析されることで、介護施設のスタッフはより効率的に業務を遂行できるようになることが期待される。

Smart Ageing Tech はまた、台湾同様に高齢化問題を抱えるアメリカ、日本、シンガポールにも市場進出する。アメリカとカナダ進出に向け、同社は2020年に北米オフィスを開設し、アメリカ最大の介護プラットフォーム「PointClickCare」と提携。また今年に入り、シンガポールの上場企業 ECON Healthcare Group などとも高齢者介護における提携の可能性を模索し始めた。先月には、東京で Smart Ageing Tech が特許を取得した介護用回診カートを現場の介護士らにデモンストレーションした。

via BNext(数位時代)

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