Nvidia「エンジニア向けメタバース」を公開ーー番組制作から山火事のシミュレーションまで(3/3)

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Above: Adobe and Nvidia are collaborating on a plugin for Omniverse. Image Credit: Nvidia

拡大するエコシステム

(前回からのつづき)各業界がOmniverse導入の鍵としているのはPixarのオープンソースUSDだ。USDはOmniverseのコラボレーションおよびシミュレーションプラットフォームの基盤になっている。PixarのUSDは大規模なチームが共有した3Dシーン上で複数のソフトウェアアプリケーションを使って同時作業を可能にする。エンジニアはシミュレーションされた画像の同じ部分で同時に作業することができるのだ。

USDのオープンスタンダードな基盤により、ソフトウェアパートナーはUSDの採用やサポート、プラグインの構築、Omniverseコネクターを介してOmniverseを拡張し、接続するための複数の方法を提供する。

Apple、Pixar、Nvidiaの3社は、先進的な物理機能をUSDに搭載するために協力し、オープンスタンダードを採用して何十億ものデバイスに3Dワークフローを提供している。BlenderとNvidiaは、近日リリース予定のBlender 3.0と、ユーザーある何百万人ものアーティストに、USDのサポートを提供するために協力した。

「私たちはAppleと協力して、プラットフォーム間での物理定義を記述したホワイトペーパーを出しました」(Kerris氏)。

Nvidiaは、Blender 3.0α版のUSDとマテリアルサポートに貢献しており、まもなくクリエイターに提供される予定だ。

Blender FoundationのチェアマンであるTon Roosendaal誌はBlenderにUSDを統合するなど、Nvidiaのオープンソースに対する貢献は模範的であると語っている。

「重要な点は異なるソフトウェアパッケージであっても、人々がそれぞれの専門分野で働くことができるということです。Omniverseに接続されていれば、リアルタイムで地理的に離れた場所でも共同作業を行うことができ、コアベースのプラットフォームで提供されているソフトウェア技術を活用することもできます」(Kerris氏)。

消火活動のシミュレーションなど

Above: Jensen Huang’s virtual kitchen was really virtual. Image Credit: Nvidia

Lockheed Martin氏は、Omniverseを使って山火事のシミュレーションや予測、鎮圧に取り組んでいる。同社のAI center of excellenceは、Nvidiaと共同で「Cognitive Mission Management」という取り組みを開始し、緊急対応や火災鎮圧活動のための戦略を策定している。主な目的は風、湿気、地面の状態などの変数に基づいて、山火事がどのように広がるかを予測することである。私が住んでいるカリフォルニア州の地域では、かなり役に立つかもしれない。

また、エミー賞を受賞した長寿番組「South Park」では、複数のアーティストがシーンを共同制作し、限られた制作時間を最適化するためにOmniverseを活用している。

デジタルヒューマンの作成は、Epic Gamesのような企業と同様にNvidiaでも大きな取り組みとなっている。Nvidiaはデジタルヒューマンなどの分野でEpic Gamesやその他のパートナー企業と競合するのかという質問に対する答えは次のようなものだった。

「Epicは当社のトップパートナーのひとつです。Omniverseは、ワークフローを置き換えるわけではないので、ワークフローを持って参加してくれるお客様に感謝しています。私たちはパートナーと競争するために存在しているのではありません。私たちはすでに存在するワークフローを強化することを目的としています」(Kerris氏)。

Nvidiaは今年の春に開催された、GTCイベントでの基調講演における制作ドキュメンタリーも公開しており、2,000万人以上が視聴している。

発売日と価格

Nvidia Omniverse Enterpriseは現在、限定的なアーリーアクセスとなっている。Asus、Boxx Technologies、Dell Technologies、HP、Lenovo、PNY、SupermicroなどのNvidiaのパートナーネットワークから、サブスクリプションベースで今年後半に発売される予定だ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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