自動運転トラック開発のInceptio(嬴彻)、中国テック大手2社などから2.7億米ドルを調達

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Inceptio(嬴彻)が 上海で開催された CES Asia 2019 で披露した最新モデル「Inceptio No.1」
Image credit: TechNode/Eugene Tang

中国のロボットトラックスタートアップ Inceptio(嬴彻)は5日、2億7,000万米ドルを調達しシリーズ B ラウンドを完了したと発表した。JD Logistics(京東物流)、Meituan(美団)、PAG(太盟投資集団)がこのラウンドをリードした。

重要視すべき理由:

中国のテック大手2社が同じラウンドに参加するのは異例で、これは Inceptio を重要なプレイヤーとして見ていることを示唆している。

詳細情報:

  • 今回の資金調達ラウンドは、オンライン小売 JD の配送部門 JD Logistics、ライフサービスプラットフォーム Meituan、プライベートエクイティファーム PAG がリードした。その他の投資家には、エクスプレス配達の Deppon(徳邦快逓)と IDG Capitalが含まれていると、Inceptio は3日の発表で述べている。投資家らは、同社の評価額を明らかにしていない。
  • Inceptio は2018年の創業以来、4億9,000万ドル以上を調達している。
    上海に拠点を置く同社は、新たな資金を自動運転システムに関する社内研究の拡大と、電気トラックへの投資の加速に使用すると発表している。

背景:

  • JD と Meituan はともに自動運転に投資しているが、無人運転技術の進展は多くの人の予想よりも遅れている。JD では、自社の自動運転トラックプロジェクトのスケジュールが遅れているようだ。
  • JD は、2018年半ばに北京で高度な自動運転トラックのモデルを発表し、そのテスト車両が2020年に商業運転を開始すると予想していたと The Paper(澎湃)が報じた。しかし、同社はまだ何のアップデートも発表していない。JD の広報担当者は、目標達成についての TechNode(動点科技)の取材に応じなかった。
  • Meituan は、数年前から自動運転車への投資も行っている。同社は、乗用車の自動運転システムを開発しているスタートアップの Haomo.ai(毫末智行)や、電気自動車のスタートアップ Leading Ideal(理想汽車)に投資している。
  • Inceptio は今年3月、今年末までに自動運転トラック2モデルを量産すると発表した。これらのモデルは、それぞれ中国の自動車メーカーである Dongfeng(東風)と Sinotruk(中国重汽)と共同開発される。
  • Inceptio は昨年11月、シリーズ A ラウンドで2億2,000万ドルを調達した。このラウンドの投資家には、バッテリ大手 CATL(寧徳時代)、物流企業 GLP、電気自動車メーカーの Nio(蔚来)が一部出資する投資会社 Nio Capital(蔚来資本)などが名を連ねていた。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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