Waymoの元エンジニアらが設立、ロボットバス開発のQcraft(軽舟智航)がシリーズA+で1億米ドルを調達

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2021年5月、江蘇省蘇州で道端に駐車する Qcraft(軽舟智航)の自動運転技術を搭載したミニバス
Image credit: Qcraft(軽舟智航)

複数の著名投資家の支援を受けている自動運転スタートアップ Qcraft(軽舟智航)は16日、1億米ドルを資金調達したと発表した。投資家には、Jack Ma(馬雲)氏が設立したプライベートエクイティファーム YF Capital(雲鋒金融)や、ライフサービスアプリ「Meituan(美団)」の投資部門 Longzhu Capital(竜珠資本)などが含まれる。

重要視すべき理由:Google の親会社 Alphabet が所有する自動運転車開発会社 Waymo の元エンジニアたちが設立したこの会社は、設立2年目の会社にして、このラウンドで承認されたことになる。中国のテック大手各社は、ロボットカー分野に本格的に参入するにあたり、Qcraft に大きな期待を寄せている。

詳細情報:Qcraft は、YF Capital とベンチャーキャピタルの Genesis Capital(元生資本)が中心となって、新たに1億米ドルのシリーズ A+ ラウンドを調達した。このラウンドには、中国のオンデマンドサービス大手 Meituan のベンチャーキャピタルファンドである Longzhu Capital も参加している。

  • Qraft は現在、中国の5つの都市で約70台のロボットバスを一般公開している。同社が16日に発表した声明によれば、今年末までに100台以上のロボットバスを導入する予定だ。
  • また、Qcraft は自動運転技術の新たなアプリケーションを模索しており、今年後半には中国東部の蘇州で配車サービスを開始する予定であると、LatePost(晩点)が16日、同社 CEO Yu Qian(于騫)氏の言葉を引用して報じた
  • Qcraft は、TechNode からの問い合わせに対し、調達時の時価総額の開示を拒否した。

背景:自動運転車開発各社は、自動運転のトラックやバスに、より多くの時間とエネルギーを投資している。この傾向は、自動運転のトラックやバスが、自動運転のタクシーよりもルートが予測しやすく、管理が容易であることが背景にある。

  • 検索サービス大手 の Baidu(百度)は今月初め、自動運転ミニバス「Apolong(阿波竜)」の新バージョンを発表した。Baidu は、中国南部の広州市政府と提携して、このロボバスの導入を開始した。Baidu は、2018年半ばから国内22都市で非公開の第1世代Apolong バスを運行しているという。
  • 中国のロボットタクシーユニコーン WeRide(文遠知行)は昨年12月、中国最大のバスメーカー Yutong(宇通客車)から2億米ドルを調達した。今年1月以降、同社は広州や南京などでロボットバスのテストを開始している。
  • ビジネス情報プラットフォーム「Crunchbase」の統計によると、Qcraft は2020年初め、IDG Capital や、Alibaba の共同創業者 Eddie Wu(呉泳銘)氏が率いる投資会社 Vision Plus Capital(元璟資本)などの投資家から2,400万米ドルを調達しシードラウンドをクローズした。また、Bloomberg は今年3月、ByteDance(字節跳動)が Qfraft に2,500万米ドルの投資を計画していると報じた

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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