メタバース実現へ「Thirdverse」20億円調達、國光宏尚氏が代表取締役に就任

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「ソード・オブ・ガルガンチュア」などのVRゲームを手がけるThirdverseは8月10日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのはジャフコグループ、インキュベイトファンド、KDDI Open Innovation Fund、Presence Capital、Animoca Brandsと國光宏尚氏個人。ラウンドはシリーズAおよびBラウンドで調達した資金は約20億円。評価額や払込日などの詳細は非公開。

また、これに合わせてgumi創業者で7月末に同社を退任した國光宏尚氏が代表取締役に、Microsoftのゲーム開発統括組織「Xbox Game Studios」に所属するブライアン ファーゴ氏のアドバイザー就任も伝えている。調達した資金は日米スタジオで開発を進める新作VRタイトル2本に投じられる予定。

出資したAnimoca Brandsは香港拠点のブロックチェーンゲーム企業。「The Sandbox」などのオリジナルゲームを制作するほか、Axie Infinity の生みの親であるSky Mavisや、CryptoKittie、NBA Top Shotなどの開発で知られるDapper Labsなど、複数のブロックチェーンゲーム企業に投資・提携している。5月の資金調達ラウンドで8,880万米ドルを調達しユニコーンとなっている。

Thirdverseの設立は2013年4月。旧社名はよむネコで、ゲームジャーナリストとしても活躍していた新清士氏(現在は取締役)が創業した。2016年にVR脱出ゲーム「エニグマスフィア~透明球の謎~」をリリースし、その後、VR剣闘ゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の企画・開発・運営を手がける。2017年3月にはgumiが出資をして持分法適用会社となっている。

補足追記(12時):gumiは2020年3月に子会社、gumi X studioが保有するThirdverse(当時の社名はよむネコ)の株式(161株・議決権比率で19.8%)を全て國光宏尚氏に譲渡したと公表しており、これによりThirdverseはgumiの持分法適用会社から外れている(リンク先はPDF)。譲渡額は簿価として非公開で、合わせてgumiが保有する「ソード・オブ・ガルガンチュア」に係る特許権及び商標権等をThirdverseに500万円で譲渡したことも開示している。

補足ここまで。

2020年に社名をThirdverseに変更し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントにて『どこでもいっしょ』シリーズのプロデューサーを務めた伴哲氏が取締役COOに就任している。

社名のThirdverseは自宅や学校・職場と異なる自分らしい時間を過ごすことができる第三の仮想世界を示す。國光氏はブログの中で、メタバースの実現に向け、まずはVRゲームにおいて世界的なヒットを目指すとしている。メタバースの開発はFacebookが開発を進める「Facebook Horizon」や、Epic Gamesが展開するフォートナイトなどがある。

本誌では今回、gumiに続いて國光氏とタッグを組むことになった本間氏との対談も掲載する。

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