ブロックチェーンで貿易手続をデジタル化、トレードワルツが2回目となるラウンドで9億円を調達

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Image credit: TradeWaltz

ブロックチェーンを使った貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を開発・提供するトレードワルツは26日、同社2回目となる外部調達で9億円を調達したことを明らかにした。今回のラウンドに参加したのは、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)、三井倉庫ホールディングス、日新、TW Link(川⻄倉庫、鈴江コーポレーション、大東港運、富士倉庫による TradeWaltz 共同推進のためのジョイントベンチャー)が参加した。同社設立時の調達とあわせると、累積調達額は30億円に達した。

トレードワルツの歴史は2017年にさかのぼる。当時、ブロックチェーンのビジネス実務の応用を模索していた NTT データに呼応する形で、運送・保険・商社・銀行など13社が手続が複雑化する貿易実務への実装を提案、「ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤実現に向けたコンソーシアム」が生まれた。2020年4月、貿易プラットフォームという形で具現化する会社としてトレードワルツが設立、コンソーシアムの機能はトレードワルツが引き継ぐ形で新組織に引き継がれた

2020年10月には、旧コンソーシアムのうち6社と NTT データがトレードワルツに出資している(今回明らかになった累計調達額から逆算すると、トレードワルツはこの際、21億円を調達したことになる)。

貿易実務においては、輸出者と輸入者の双方の国において、監督官庁への輸出入申請、銀行への L/C(信用状)発行依頼、運送会社や通関会社との船荷証券のやりとり、保険会社との保険契約や証券のやりとりなど、荷物そのもののやりとりに付随して、実に多岐にわたる事務手続が複数のステークホルダー間で繰り広げられることになる。通信の発達によって数十年前に比べればスピード化は図られているものの、業務の多くは紙ベースの伝票が少なくない。

Image credit: TradeWaltz

TradeWaltz はこれらの一連の手続をブロックチェーンを使ってデジタル化するプラットフォームだ。今年3月に商用サービスをローンチし、株主に名を連ねる企業をはじめ、複数の企業が利用を始めている。監督官庁とのやりとりや法律的に縛りのあるプロセスについては即刻のデジタル手段へのリプレイスは難しいが、各プロセスに置いて双方の国でカウンターパートの了解が取れるもの、例えば、輸出側が日本の商社で、輸入側が日本の商社の現地法人などの場合、TradeWaltz を使った方法に置き換えやすい。

トレードワルツはこうして一つ一つのプロセスをデジタル手段へ置き換えていくことで、最終的な輸出入業務全体をプラットフォーム上でワンストップで済む世界の実現を目指している。TradeWaltz によってどの程度、業務効率が改善されるかは、対象とする輸出入の製品によって異なる。原油などは回数が比較的少ない割に一度のボリュームが多いため改善程度は限定的だが、自動車や鉄鋼製品など取扱単位の件数が多いものは大きな効果が期待できる。PoC では4割〜6割程度の作業削減が確認できたものもあるという。

コロナ禍ながらも日本の貿易量は増加傾向にあり、特に製造業の輸出は今年も好調で政府は税収アップに喜んでいるようだ。幸いなことに貿易需要は右肩上がりだが、現在、問題となっているのは、関係する官庁においても民間企業においても、貿易に関わる人材が不足していていることだ。世界的に見ても日本は貿易にかかる処理に時間のかかる国のワーストに近い方にランクインしており、これは手続に関わるリソースの供給不足が招いている部分も大きい。トレードワルツはデジタル化で、これらの問題の解決を目指す。

トレードワルツは、東大 IPC の起業支援プログラム「1st Round」に応募、これが東大 IPC のオープンイノベーションおよびカーブアウト支援ファンド「AOI 1号」から出資を受けるきっかけとなった。この投資と合わせ、データマッチングの市場実装の権威で、東京大学マーケットデザインセンター⻑である小島武仁教授がトレードワルツのアドバイザリーボードに就任、東大 IPC はトレードワルツの産学連携活動を支援する。

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トレードワルツでは今後、同社が事務局を務めるコンソーシアムや今回の出資者にはまだ含まれていない、フォワーダー(乙仲事業者)や物流事業者の賛同を募り、よりトータルな SaaS へ仕上げていきたいとしている。

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