サプライチェーンリスク管理プラットフォーム「Resilire」運営、1.5億円を資金調達

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Image credit: Resilire

サプライチェーンリスク管理プラットフォーム「Resilire(レジリア)」を運営する Resilire は1日、 Archetype Ventures、DNX Ventures、DEEPCORE、STRIVE、みずほキャピタル、グロービスファンドから1.5億円を調達したと発表した。調達ラウンドは不明。同社は2019年11月に、エンジェル複数から3,000万円を調達しており、今回の調達はそれに続くものとなる。

代表取締役の津田裕大氏は2018年、大阪北部地震・西日本豪雨を被災、災害復興に対し問題意識を強く感じ Resilire を設立した(当初の社名は Tech Design)。災害によってサプライチェーンが破壊されることを目のあたりにした経験から、企業が BCM(事業継続マネジメント)と SCRM(サプライチェーンリスクマネジメ ント)の対応をしやすくする SaaS を提供している。

企業では商品やサービスの高度化に伴いサプライチェーンが複雑化しており、購買担当は約3割の時間と労力を 委託先や調達先の把握に費やしているという。しかし、大企業でさえ、これらの情報の管理をスプレッドシートで行っていたり、そもそも管理を行えていなかったりするのが実状だ。サプライチェーンを正しく把握できれば、日頃からリスク分散の対応や問題発生時の影響範囲を事前予測することが可能になり、万一、災害や不測の事態が起きた時にもバックアップ手段の手配を適切に講じることができるようになる。

Image credit: Resilire

Resilire では、ユーザである企業はもちろん、その企業のサプライヤーにもログインしてもらい情報を更新する。ソーシャルメディア解析でニュース配信する「Spectee」とも連携していて、災害(水害、地震、停電、土砂災害、交通断、火災、爆発など)の発生時には、自動的にその情報を取り込んで、対応に備えることも可能だ。今後、リスクのスコアリング、品目毎の依存先の見える化、供給先の拠点分散といった対応を取りやすい機能も順次追加していく。

Resilire は今年5月にローンチしたばかりだが、製造業を中心に12社が利用しており、中には小林製薬をはじめ大手企業の購買部や調達部が多い。災害で取引先に事業停止されてしまうと困る銀行などからも引き合いがあるとのことで、Resilire では銀行経由で、中小企業への営業展開にも注力していきたい考えだ。金融機関の中には、今後、このようなツールを使ってリスクヘッジを図ることを、融資の条件に含めるところが出てくる可能性もあるだろう。

Resilire では今後、BCM に対する関心の高まりと共に、さまざまな企業の総務部のユーザも増えると見てい る。ユーザに対するオンボーディングやサポートを手厚くする観点から、今回調達した資金を使って、エンジニア以外の人材の採用にも注力していく考えだ。

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