
メタバースという考え方がこれまで以上に話題になっている。私は昨日、コロンビア大学のコロンビア・ビジネス・スクールのSharad Devarajan氏のMBAクラスで、メタバースに関する講義を持つ機会に恵まれた(私は彼らにビットコインを買うようにアドバイスした)。
授業のリサーチで、さまざまなテーマの検索数を計測できる「Google Trends」でメタバースの状況を確認したところ、ここ1年ほどで爆発的に増加していることがわかる。Facebook、Roblox、Epic Gamesなどの大企業がメタバースの胴元になろうと競い合っており、多くの企業がメタバース戦略について語っている。
しかし、だ。
18年前に誕生したSecond Lifeという仮想世界では、そのずっと前からメタバースであることが話題になっていた。Second Life(2003年にデビューした仮想世界)の生みの親であるLinden Labは今でも健在だ。Linden LabはSecond Lifeで稼いだ仮想通貨を米ドルに換金できる「Tilia Pay」と呼ばれるクロスプラットフォームの決済システムを用意することで、現代におけるメタバースの役割を果たそうと考えている。これは、小説「Snow Crash」や「Ready Player One」のように、すべての仮想世界が相互に接続された宇宙、メタバースにとって非常に重要な要素なのだ。

毎日のアクティブユーザー数が4,300万人を誇る「Roblox」のような「新しい」メタバース企業を称賛する現在、どうしてもSecond Lifeの存在を忘れがちになる。ちなみにSecond Lifeは年間6億ドルの国内総生産(GDP)を誇っている。これまでに20億以上のユーザー資産が作成され、毎日20万人のアクティブユーザーがいて、年間3億4500万件以上の取引が行われている。クリエイターへの報酬は年間8,040万ドル以上もある。ある時代に成功した企業が別の時代にも成功するのは非常に難しい。しかし、実はSecond Lifeは複数の時代を経ても成功しているのだ。
Linden Labの会長であるBrad Oberwager氏は、本誌GamesBeatのインタビューでこう語ってくれた。
「Second Lifeの18年前と現在を比較すると、世界はSecond Lifeに戻ってきているようです。誰もがSecond Lifeになろうとしている。これはとても興味深いことです。クリエイター経済の中でクリエイターのことを考えると、Second Lifeはいまだにリーダー的存在で、人々はお互いに直接支払いを受けています。私たちこそ、まさにその経済そのものなのです」。
次につづく:生き残りをかけて
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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