スキマバイト「タイミー」運営、シリーズDで香港のファンド3社などから40億円を調達——コロナ禍、物流需要へのシフトが功を奏す

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Image credit: Timee

<15日10時30分更新> VC3社としていたものをファンド3社に訂正。

スキマバイトサービス「タイミー」を運営するタイミーは15日、シリーズ D ラウンドで40億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、いずれも香港を拠点とするファンドである Keyrock Capital Management、Kadensa Capital、Seiga Asset Management と、シニフィアン(THE FUND)、伊藤忠商事(東証:8001)、KDDI Open Innovation Fund。また、同社は今回のラウンドとあわせ、みずほ銀行を中心とした大手金融機関から13億円のデットファイナンスを行ったことを明らかにした。

タイミーにとっては、2020年9月に実施した13.4億円の調達に続くものだ。今回のラウンドを受けて、タイミーの累積調達額は約90億円(デットファイナンスを含む)に達した。なお、伊藤忠商事については資本業務提携契約を、KDDI とは業務提携の検討を目的とした基本合意を締結したことを明らかにしている。

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タイミーの公開は2018年8月(当初の英語表記は「Taimee」)。創業したタイミー代表取締役の小川嶺氏は高校の時からインターンをはじめ、慶応大学のビジネスコンテストで優勝したことをきっかけにファッションの会社を設立。この事業を1年ほど運営してピポットし、2019年3月にタイミーを新たに設立した。昨年以降、コロナ禍で売上が一時期の3分の1まで減少するも、事業を飲食の人材需要から物流の人材需要へとシフト。この戦略がが功を奏し、スタッフ1人あたりの売上は増加に転じた。

新型コロナが流行し始めた頃は、1店舗が出稿してくれる応募数を見ていると、ほぼ全てのアカウントからの出稿が下向きに転じたが、その中で物流だけが上向きだった。我々の業界には競合も少なくないが、この変化にいち早く気づくことができ、物流にシフトが切れたことでナンバーワンになれた。コロナが収束し経済が回復してくれば、飲食業からの需要も回復し、さらに成長できると思う。(小川氏)

コロナ禍からの経済回復でアメリカは日本の一歩先を行くが、遠くない将来、日本にも同様の状況が訪れ、有効求人倍率の急上昇、空前の人手不足が生じる可能性については想像に難くない。タイミーの今回の調達は、その需要を一気に取りに行くための着々とした準備のためのものだ。タイミーは現在、物流、飲食、小売業界を中心としたギグワーカーの人材供出を展開。全国に200万人の登録スタッフ、19,000社44,000拠点の利用企業がいる。

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