福岡生まれのカード型チャットツール「postalk」、ドーガン・ベータとFGN ABBALabからプレシード調達

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postalk 代表取締役の川野洋平氏
Photogarphy by 越智達也

福岡を拠点にカード型チャットツール「postalk」を開発・運営する postalk は18日、プレシードラウンドで2,250万円を調達していたことが明らかになった。このラウンドに参加したのは、ドーガン・ベータと FGN ABBALab。

postalk は2018年5月の創業。postalk を立ち上げたのは、以前サーバのバックエンド処理を自動化する API「Milkcocoa」を運営していた Technical Rockstars 共同創業者である川野洋平氏と、同社で開発に従事していた平間清彦(へいま・きよひこ)氏だ。なお、Technical Rockstars は2016年にクラウド関連のウフルに事業譲渡され、Milkcocoa はサービスを終了している。

postalk は、Technical Rockstars 時代の川野氏らの経験から生まれたサービスだ。当時、チームは福岡と東京に分かれていて、Google Hangout や Google Docs など Web アプリケーションは存在していたが、リモートワークを進める上での環境づくりに悩んだという。ホワイトボードに付箋を貼り付ける感覚で、課題や To Do を共有できる postalk のアイデアが生まれた。

リモートワークが常態化する中でさまざまな SaaS が生まれているが、自身もテックギークである川野氏は、ウフルでのキーマンクローズを過ぎて福岡のスタートアップコミュニティ「FGN(Fukuoka Growth Next)」でスタッフを務める機会を得て、この時、スタートアップコミュニティが必ずしもテックギークな人々だけで構成されていないことを痛感することになる。

「postalk」の画面
Image credit: postalk

渋谷とかにいると、Zoom や Slack は使えて、ひょっとしたら GitHub さえも使えて当たり前みたいな風潮がある。でも、福岡に戻ってきて、だいぶ違うことがわかった。ギークなものが好きな人だけで盛り上がっているのは良くないし、既存のツールだけだと、ギークではない人と一緒に仕事するのは大変。道具の方がもっと開かれていないといけないと痛感した。(川野氏)

川野氏によれば、世の中にはテックギークを前提にした SaaS が多く、例えば、ドローイングツールやカンバン形式のタスク管理ツールなどは、IT に縁が職種の人にとってはまだまだわかりにくいという。postalk ではカードを貼って並べるだけでよく、URL があれば OGP も表示されるため、大学などでイベント中の意見集めや企画出しのコミュニケーションなどで多用されているという。

postalk は、共有するホワイトボードのサイズで料金が決まるという興味深い従量課金モデルを再現している。企業などで積極的に導入してもらうためには、まだいくつかの課題が考えられるとのことで、今後は、スマホからも容易に操作できるようにモバイルアプリの開発、Zoom や Slack との連携、会議やテレカンの内容を音声入力できるような機能の追加を検討している。

川野氏に加え、このラウンドに参加したドーガン・ベータのパートナー渡辺麗斗氏、FGN ABBALab でファンド運営を担当する室井信人氏を交えた鼎談記事を寄稿いただいたので、ここに掲載した。また、川野氏は19日(火)深夜/20日(水)未明放映の「オケハザマってなんですか?~弐ノ陣・版図拡大~(RKB 毎日放送)」に出演予定(以下に録画あり)。福岡で今週開催される B Dash Camp にも参加する。

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