NAVERスピンオフの韓国版スニダン「Kream」が97億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(10月11日~10月15日)

本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

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10月11日~10月15日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは12件で、資金総額は2,297億ウォン(約220億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • 限定品リセールプラットフォーム「Kream(크림)」が1,000億ウォン(約97億円)規模のシリーズ B 調達。去る3月には200億ウォン(約19億円)を調達、今回の調達を受けて累積投資額は1,400億ウォン(約136億円)で業界最高記録。調達した資金でモデル高度化、新規カテゴリ・ターゲットを拡大し、海外市場への進出のための人材招聘を計画。
  • P2P金融サービス「8%(8퍼센트)」がシリコンバレーの投資会社などから453億ウォン(約44億円)を調達。調達した資金を活用して、これまで蓄積した金融・非金融データを融合し、既存の金融機関との提携を拡大。中金利ローンとオルタナティブ投資サービスをより高度化する予定。
  • ロボアドバイザー「Fount(파운트)」が400億ウォン(約38億円)を調達。調達した資金は、マイデータ事業(韓国政府が主導、情報の主体である個人が開示を要請すると、その個人に関して企業が保有するデータを個人や第三者に開示しなければならないスキーム)に対応し、金融人材の採用、技術力の強化に使用する予定。
  • メタバースオーディオ企業 Gaudio Lab(가우디오랩)が113億ウォン(約11億円)を調達。OTT、ストリーミングサービス、スマートフォンなどのモバイル機器向けオーディオソフトウェアを開発・供給している会社で、調達した資金は技術の高度化、海外進出拡大に活用予定。
  • 非対面診療・処方薬配送サービス「Dr. Now(닥터나우)」が100億ウォン(約9.7億円)を調達。一時的に許可された非対面診療にサービス提供。累積利用者30万件の記録。非対面診療の利便性強化を図る予定。
  • 新車購入情報プラットフォーム「Getcha(겟차)」が80億ウォン(約7.7億円)を調達。累積ダウンロード数150万件、韓国国内1,500あまりの車両情報を提供、韓国国内ディーラーの74%が利用している。

トレンド分析

グローバル市場攻略する「K-コンテンツ」スタートアップ

コンテンツ産業がコロナ禍で新たな機会を迎えている。公演がオフライン化され、映画産業が困難を経験したのに対し、OTT サービスとウェブトゥーンは、Web 小説などの非対面で消費されるコンテンツに関心が急増した。映画「パラサイト」「ミナリ」に次いで「イカゲーム」まで、最近「K-コンテンツ」が世界でも爆発的な人気を得る中、成長可能性が高い韓国のコンテンツ企業にも関心が集まっている。

特にウェブトゥーンは、Web 小説の分野 IP コンテンツ制作能力を持つスタートアップの投資家から大きな関心を集めている。ウェブトゥーンプラットフォームを運営する Topco(탑코)は昨年9月に創業以来最大の242億ウォン(約23億円)を調達。また、北米向けウェブトゥーンプラットフォームを昨年発表した Copin Communications(코핀 커뮤니케이션즈)は、4月と9月に2回の調達で305億ウォン(約30億円)を調達し、東南アジアなどグローバル市場攻略に着手した。

今年は、コンテンツの力量を強化しようとする大企業がスタートアップを買収したニュースもよく聞くようになった。ここでもウェブトゥーンと Web 小説プラットフォームは、最も人気のある分野だった。Kakao(카카오)は、ウェブトゥーンの Tapas Media(타파스미디어)と Web 小説の Radish を買収し、Naver は Web 小説プラットフォーム「Munpia(문피아)」、KT はオーディオコンテンツ「ミルリ=蜜里の書斎(밀리의서재)」などをそれぞれ自社に編入させ、新しい融合コンテンツを披露する計画を明らかにした。

コロナ禍で公演や展示などのオフラインコンテンツ制作や流通が難しくなった今、オフライン経験をデジタルで実装することができるメタバース技術を持つコンテンツスタートアップも大きく成長している。韓国のメタバーススタートアップは、国外でも頭角を現している。

今年初め、100億ウォン(約9.7億円)規模の資金を調達した AmazeVR(어메이즈 VR)は、グローバルアーティストのための VR メタバースコンサートを制作・流通させ、グローバル市場で活躍しており、ホログラム技術を持つメタバース企業 DoubleMe(더블미)は8月、スペインのバルセロナのショッピングモール「Glòries」に MR(複合現実)水族館を披露した。これは、韓国のメタバース企業としては初めて、流通大手とコラボレーションした事例だ。DoubleMe は、韓国コンテンツ振興院(KOCCA)がサポートするグローバル進出プログラム「Launchpad」を通じて、シンガポールとアラブ首長国連邦(UAE)への進出も本格化させた。

K-POP など韓流コンテンツに技術をもたらした企業も、グローバル成長の可能性に向け資金を調達している。Makestar(메이크스타)は、K-POP や韓国ドラマコンテンツプロバイダとグローバルファン層を接続するサービスで、売上高の70%は国外で生み出している。同社は今年初めの60億ウォン(約5.8億円)に続き、9月に140億ウォン(約14億円)を調達し、メタバースを活用した仮想アーティスト分野に進出する計画を明らかにした。小規模デジタルツインを標榜する Art&Space IT(예간아이티)は、K-POP ミュージックビデオの空間をメタバースプラットフォームで実装するなど K-POP ファンのためのサービスを提供し、グローバルユーザを集めた。

Launchpad に参加し、アメリカ、日本、中東などで現地進出を支援する6つのアクセラレータの代表者らは、K-コンテンツスタートアップの技術力を高く買いながら、グローバル進出の可能性を肯定的に評価した。日本のゼロワンブースターのディレクター川島健氏は、「韓国はメタバースの初期版とも言える MMORPG のゲームの歴史があるので、メタバースコンテンツ分野が強く、日本におけるメタバース市場の成長と相まって、韓国スタートアップが成功する可能性は高い。」と話した。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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