Z Venture Capital 創業物語:アジアNo.1のCVCを目指して(後半)

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写真は2020年2月に都さんが入社した時の記念撮影。早くこの頃に戻りたいですね

本稿はZ Venture Capital代表取締役の堀新一郎氏の手記「ヤフーからZVCに転籍します。採用強化します」を前後半にて転載させていただいたもの。CVCがどのようにして立ち上がり、成長していったのかその軌跡を辿る上で重要な記録になっていたので、ご本人の承諾を元に転載させていただいた。彼の記事はこちらでも読める。

3号ファンド設立:2018年8月

(前半からのつづき)社長就任、組織づくり、EV Growth立ち上げと色々なイベントが次々と起こりますが、当然国内スタートアップの資金調達環境は賑やかなので、投資活動は休むことなく進みます。また、日を重ねるにつれスタートアップの資金調達金額はどんどん大きくなっていきます。ついこの間まで30億円のファンドを運営していた自分たちが、突如200億円という巨大なファンドを任された時には一体いつになったら組入が終わるんだろう、と想像も容易にできなかったものです。

YJCはシードからレイターステージの全てのステージに投資するオールステージVCです。レイターステージでは2016年にビズリーチへ16億円の投資を実施しました。また、east venturesと共同で運営するアクセラレータープログラム「Code Republic」でも続々とシード投資も行っています。気付くと2号ファンドの組入も順調に進み、新たなファンドを設立する必要が出てきました。1号・2号ファンドで素晴らしい起業家の皆様とご一緒させていただいた実績を評価していただき、ヤフー取締役会で叱咤激励のメッセージとともに200億円の3号ファンド設立の承認が降りました。

3号ファンド設立の年は、ヤフーの経営体制が変わった年でした。全社で投資活動を積極化していく号令が新社長の川邊さんから発せられていました。川邊さんからは「キャピタルゲインだけではなく、CVCとしてシナジー創出で結果を出して欲しい」というメッセージを頂きました。新しい経営陣の期待を胸に、YJCはシナジー創出を2012年8月の創業以来、より強く意識した運営に移行していくようになります。

具体的な戦略は、前述したセクター別のスペシャリストをコマース、メディア、フィンテックとZホールディングスが所有する事業アセットに合わせた3本の柱とし、これら3領域を重点投資領域に設定します。各セクターのスペシャリストが事業開発のテーマを各カンパニー長に提案する流れを作りました。この活動は2018年から開始していますが、まだまだ改善の余地があり、進化させていかないといけない、と思っています。

Z Venture Capital爆誕:2021年4月

YJCとLINE V合併、新生「Z Venture Capital」誕生ーー堀代表に聞く“300億円新ファンド”と投資戦略

ある日、Zホールディングスの経営幹部からLINEとの経営統合について聞かされます。そして、LINE VenturesとYJCを一つにするという話が舞い降りてきました。LINE Venturesのメンバーは8割以上がソウル、サンフランシスコ、北京といった海外拠点にいます。

コロナ禍で合併相手のメンバーと直接顔を合わせて話し合うことすらも出来ません。令和の時代のM&Aは全てオンラインで進めなくてはなりません。元々PMIを経験したことがないのに、ぶっつけ本番でオンライン・グローバルPMIにチャレンジです。

言葉やカルチャーの違いから様々なすれ違いも生まれます。「Zoom飲み会やらなくなったよねー」というような声が聞こえますが、Zoom飲み会しか交流する手段がないので今でも月1でパートナー間ではやってます(笑)

数々のハードル(!?)を乗り越え、無事に2021年4月1日にZ Venture CapitalとしてZホールディングスのCVCとしてYJCとLINE Venturesは生まれ変わりました。ファンドサイズも300億円とさらにビッグになりました。

合併からの6ヶ月間の振り返り: 2021年10月1日

ミドルバック総責任者に就任した岡本紫苑CFO・General Counsel

ファンドのPMIの経験がある方はそんなにいらっしゃらないと思いますが、私にとっても初めてのことで思った以上に大変でした。2020年2月にジョインしてくれた都さん(現ZVC取締役COO、パートナー)の加入はとても力強かったです。都さんは韓国語、日本語、英語を堪能に話すことが出来ます。旧LINE Venturesの幹部と腹を割って話す際には都さんに沢山助けてもらっています。

投資委員会運営やDue Diligence(投資検討業務)といった超重要な業務に加え、人事評価制度などファンド運営のみならず会社運営に関わる様々な業務を統一化していかなくてはなりません。ビジョン、ミッション、バリューの策定なども本来であればオフサイト合宿を開催して喧々諤々の議論を行いたかったですが、全てオンラインで対応しなくてはいけません。

ZホールディングスとLINEの統合に関して公正取引委員会による審査が行われていたこともあり、LINE Venturesの皆さんとCVCの統合について議論することが直前まで出来ませんでした。なので、4月1日までに合併に関する全てのタスクを消化できませんでした。とりあえず、投資活動ができるようになっていないとマズイ、ということでファンドの設立だけは間に合わせ、4月1日からガンガン投資ができるようにしました。ホームページもとりあえず形式的にLPだけ準備しました(正式版は年内にリリース予定です)。

結果、この半年間、約30社近くに約50億円弱の投資を行うことが出来ました。もちろん、日本だけではなく、米国・東南アジアにも投資をしています。Z Venture Capitalに関わる全メンバーの努力に本当に感動しています。

アジアNo.1のCVCを目指すべく、投資活動に並行して会社運営もどんどんパワーアップしていっています。

5月より、Z Venture Capitalは取締役会設置会社に移行しました。また、監査役にはZホールディングスの法務統括部長である妹尾執行役員に就任してもらいました。

また、8月からは今までフロントメンバーとして活躍してきた岡本紫苑さんにCFO兼General Counselに就任いただき、フロントの活動に加えてミドルバックの総責任者として国内とグローバルのファンド運営に深く携わっていただくことになりました。

そして、10月からはメンバーがZ Venture Capital株式会社に転籍します。Z Venture Capitalの定める勤務形態・報酬体系のもとで、投資活動に従事してもらいます。独立子会社として、独り立ちしていきます。

思い返すと2013年6月に小澤さんに誘われて、ヤフー主務・YJC兼務という形でベンチャー投資業務に携わってきました。道中、ヤフーのM&Aの業務が忙しくなりすぎてスタートアップ投資がままならなくなり、主務をYJCに切り替える、といった経緯もありました。しかし、この8年間はずっと「出向」という扱いでした。今回の転籍は、親会社Zホールディングスの私達に対する期待がとても大きいものだと受け止めています。

原文はこちらから

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