女性誌編集長と連続起業家が立ち上げた、NY発の更年期医療スタートアップAlloy

Image credit: Alloy

<ピックアップ> Alloy Raises $3.3M In Seed Funding to Bridge the Gap in Menopausal and Post-Reproductive Health

重要なポイント:40歳以上の女性向けの遠隔医療を提供する Alloy は10月15日、今年中の事業開始に向けて、Kairos HQ と PACE Healthcare Capital から300万米ドルのシード資金を調達したことを発表した。

詳細:Alloy はは2021年にアメリカ・ニューヨークで、女性誌「Marie Claire」で長年編集長を務めたAnne Fulenwider 氏と、オーガニック食料品ブランド「Seed + Mill」の創業者であるMonica Molenaar 氏によって設立された。

  • 設立のきっかけは Fulenwider 氏の母親が突然の心臓発作で亡くなったことと、Molenaar 氏自身の更年期障害の経験だったという。
  • 同社が提供するサービスは北米更年期学会(NAMS)で認定された特別なトレーニングを受けた医師による遠隔医療プラットフォームのほか、更年期の症状や40歳以上の女性の健康にまつわるコンテンツやコミュニティ構築などがある。また、FDA(米国食品医薬品局)で承認されたホルモン処方箋も低価格で提供している。
  • 同社のメディカルディレクターを務める Sharon Malone 氏は、今回の調達に関するプレスリリースで下記のようにコメントしている。

私が Alloy のメディカルディレクターに就任したのは、産婦人科医としての約30年にわたる診療の中で、更年期障害の治療にまつわる混乱と、それがもたらす苦しみを目の当たりにしたからです。更年期治療の民主化を支援することは私のライフワークです。Alloy は最新かつ正確な情報と、臨床的に証明された安全で効果的な治療法を世界中の更年期の女性に提供することで、ミッションを遂行しています。

  • 今回調達した資金は、同社の遠隔医療ネットワークの強化やスタッフの採用、コミュニティの拡大に使用される予定。同社は現在ベータ版のみ提供しているが、2021年中にはサービスを開始し、2022年にはさらなるサービス拡大を行う予定という。

背景:世界の更年期および閉経後の女性人口は、2030年には12億人に達すると予測されており、毎年4,700万人が新たに増加している。一方で、更年期症状の治療を求める女性の75%が実際には治療を受けられておらず、婦人科医の80%以上が更年期の女性を治療するためのトレーニングを受けていないという課題もある。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:池田 将

via  FemTech Insider

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