デジタル化する物流の今・2万社利用、ロジクラが語る物流DX/ロジクラ武末氏・ジェネシアV一戸氏 #BRIDGE_Tokyo_Meetup

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本稿はベンチャーキャピタルが紹介する旬のトレンドやスタートアップを集めたセッション「BRIDGE Tokyo Meetup INTRO」で語られた話題をお届けします。11月実施のTokyo Meetup全セッションはこちらから。登壇希望のスタートアップはこちらからパートナーへご参加ください。

今回のINTROはジェネシア・ベンチャーズから一戸 将未さん、特別ゲストとしてクラウド在庫管理 SaaSを展開するロジクラから取締役CSO、武末健二朗さんにご参加いただきます。

ロジクラは全国に広がる倉庫事業者を対象に、入荷から在庫管理、受注オーダーの自動取り込みから出荷までの全ての物流オペレーションを一元管理し、倉庫業務を効率化することができる「物流デジタル化」スタートアップです。

昨秋からは「3PL(third-party logistics)パートナープログラム」を開始し、倉庫探しに困っている EC 事業者向けに全国100拠点以上の倉庫事業者との無料マッチングを実施したり、佐川グローバルロジスティクスと提携し、東京・南砂の次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」を活用した国内最速・最大級の EC フルフィルメントサービス「XTORM」を共同で開始されています。

イベント当日は、今後も大いに成長が期待されるEC市場に対して、物流側がどのような課題を持ち、どう解決していくのかロジスティクスの今をお聞きします。(本文の書き起こしは収録インタビュー動画の一部、文中敬称略)

ロジクラについて、ご紹介ください。

武末:我々は「変革期における小売のニューノーマルを創る」というビジョンを持っています。2019年から、皆さんご承知の通り新型コロナウイルスの蔓延によって小売業界は本当に大きなトレンドと言いますか、モーメンタムが起きているという形になっているんですけれども、そういった事業者様の方々に対して我々自体が次の事業に繋がるようなサポートを在庫という観点から行っている会社になります。

ミッションとしては「在庫データを活用し、企業の成長を支援する」というところで、僕ら自体が在庫データというものを日々のお客様の商品の出荷や入荷のような商品の管理という観点からデータを蓄積していくことができるようなプロダクトを提供しているので、それを活用して企業の成長をいかに支援していくかということを掲げています。

何を提供されているのですか?

武末:在庫管理のSaaSプロダクトを提供しておりまして、それ自体によってお客様の出荷業務だったり在庫管理が簡単になった、もしくは正確になったっていうことはありますが、そこで得られたデータを活用して在庫自体をいかに減らしていくかが重要です。

特に今回のコロナウイルスの影響はまさに、お客様が店舗メインで売上を上げていたところが、店舗では全く売上が上がらなくなってしまった時に、じゃあ通販にどうやってシフトしていくのか、シフトしていった時にどうやって在庫の適正な消化(消化率)、つまり減らし方を習得して商いをやっていくのか、あるいは需要を予測していくのかというところを支援していこうとしています。

SaaS プロダクトとして、ロジクラをスマートフォンと PCの サービスという二つの形態で提供しており、店舗向け・通販向けでそれらをまとめたオムニチャネル、直近ですとOMOみたいな言い方がありますけれども、OMO の中で基幹として使っていただくようなソリューションとなっています。

また、ロジクラは SaaS プロダクトの提供に加えて、通販や小売の事業者様がどんどん事業を拡大されていった時に、倉庫の方々と実際の荷主と言われる小売事業者様の方々をマッチングしていくようなコンサルティングのサービスも行わせていただいています。それによって、お客様が事業をスケールアップしていく時の物流のトータルサポートをロジクラが行っています。

小売事業者に SaaS を提供するだけでなく、物流事業者とも組んでおられるのですか?

武末:パートナーの倉庫を全国で100拠点以上確保して、そこの方々とマッチングも含めた共同でのサポートをやらせていただいています。加えて先般、 SG ホールディングスの物流子会社である佐川グローバルロジスティクス様とレベニューシェアで共同事業をさせていただいており、「XTORM」というサービス名称で24時間365日フル稼働の最新鋭のロボットを活用した通販物流センターを共同運営しています。

単純なソフトウェアの提供というだけではなく、物流自体のパートナーとの共同提供であったり、僕ら自体がレベニューシェアで実際にサービス自体を提供したりするところまで、広く連携をしながらやらせていただいています。XTORM に関しては完全自動出荷、夜中のうちに入った注文を午前中に関東には送れるなど、圧倒的な出荷スピードを実現するなど新しいことにも取り組んでいます。

日本の EC 化が成長を続け、10%に近づこうとしています。EC 事業者にサービスを提供するロジクラから見て、どういう領域が伸びていますか?

武末:コロナの影響もあって需要が圧倒的に強くなってきていますね。その中で、これまではなかなか通販化が難しかったところも結構伸びているっていう所感を得ていて、まさにこれが書いていただいている10%が見えてきたっていうところに関わるのかなと思っています。

具体的に申し上げると、たとえば食品ですね。これまで食品系の EC は、ふるさと納税とかはあったかもしれないですけど、あんまり通販とは相性が良くないというのが正直なところでした。コロナ禍で飲食店など食品系はかなり厳しい状況下で、試しに BASE に出店してみたら死ぬほど売れて、そこから通販と店舗が二大巨頭になったみたいな企業様も出てきています。

ーーここ数年のコロナ禍によるEC 環境の激変により、EC 化率の上昇が大きく変わり始めました。メルカリがこれまでの C2C のみならず B にも参入し、Shopify、BASE、STORES などがターゲットとしていたスモールビジネスの領域に食い込んでこようとしています。

日本の B2C の市場規模は約19兆円。内訳を見ると、モノ系と物販系が12兆円で、サービスは4兆円(以前は7兆円だったがコロナ禍で旅行業が落ちた)、デジタルが2兆円。調査対象とされている10品目の中で、特に注目すべきは食品でしょう。武末さんは、絶対に伸びないと言われていた食品の EC が急に動いたことを指摘されていました。また、コスメ、ファッションなどの扱いはどうなっていくでしょうか。

EC 化率が8月くらいからグラフの角度が変わってるのを見た瞬間、嬉しくなりませんでしたか?

武末:そうですね(笑)。10%を超えるかな?っていうのを私も感覚としては持っていましたが、グラフが鋭利な形になってくることは想定内ではあるものの、これが体感に加えて、経済産業省が発表された統計的なデータとして示されたことのインパクトは大きいと実感しています。

通販は面白いもので、この領域が通販化できる、儲かるとわかると、二番手・三番手がガンガン出てきて、そこの領域が盛り上がってくるというのが結構ある産業ですね。たとえばひと昔前ですと、アパレルやファッションがそうだと思いますし、化粧品なども出てきています。

食品は、通販化ってそもそも難しいよね、ちょっと無理だよね、特産品が限界だよね、みたいな領域でした。しかし、そうじゃないんじゃないか、もっとやれることあるんじゃないかっていう風になってきて、先駆者が出てきたのがたぶん2020年だと思います。

食品の中では、ロジクラさんで預かっているものには、生鮮食品などもあるのでしょうか。技術の発達で冷凍で運べるものも増えていますが、冷凍食品の比率はどうですか。

武末:弊社では賞味期限管理の対応はしているので、生鮮食品は一部対応しているところはありますが、お預かりする食品の多くは、賞味期限が比較的長い加工品や冷凍食品です。温度管理については、クールの宅配便など、インフラの部分も含めて、かなり進化が見られます。

また、冷凍をうまく活用して通販で売れないかをトライする事業者様も増えてきました。たとえば果物は SDGs やフードロスの関係でフリーズして売っていくとか、基本的にパンは町のパン屋さんで地産地消だったのが冷凍して全国展開していくとか、そういう新しい知恵が技術の進歩プラスアルファで出てきています。

我々の中でも冷凍冷蔵できるような倉庫が、まだまだインフラとして足りていないというのが現実です。ただ、大手の消費者様なども含めて、かなり冷凍冷蔵領域についての投資を加速させていこうという動きが、2020年は出てきていると思います。

小規模事業者の中で何か際立った特徴的な動きとか、印象に残ったことはありますか?

武末:小規模な事業者様も、そうでない事業者様も、スタートラインはあまり変わりません。大手企業であったとしても、新規事業でスタートするとか、比較的事業規模が最小化された状況からスタートするのは変わりないからです。通販の面白いところは、食品であれアパレルであれコスメであれ、売れる瞬間には、もう爆発的に売れる点ですね。

試しに、リアル店舗が閉まってるから EC をやってみたら一瞬で売れてしまい、次に在庫を積んだらめちゃめちゃ売れて、といった形で、最初は試しでやってみたものの、そこに「売れる実績」が付いたことで投資をし、あたかも昔から通販をやってました、というような事業者様が出てきているのが面白いところだと思います。

すごく売れたものとしては、以前はふるさと納税の関係で特定の自治体でのみ売っていた事業者様の食肉販売。店舗ではなかなか売れないので、BASE や Shopify で仮の形で売ってみたら、プッシュ通知でお客様に通知する度に売り切れちゃう状況でした。結局そういう方は、今はもう通販自体が新しい事業の柱になっています。コロナ禍で家飲みの需要増で、お酒を販売している事業者様も伸びている感じですね。

記事編集:池田将、インタビュー:平野武士、動画編集:佐々木峻

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