3400教室採用の「記憶革命」、激動する学習市場の今/モノグサ細川氏・WiL久保田氏 #BRIDGE_Tokyo_Meetup

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本稿はベンチャーキャピタルが紹介する旬のトレンドやスタートアップを集めたセッション「BRIDGE Tokyo Meetup INTRO」で語られた話題をお届けします。11月実施のTokyo Meetup全セッションはこちらから。登壇希望のスタートアップはこちらからパートナーへご参加ください。

今回のINTROはWiLパートナーの久保田雅也さんと、特別ゲストとして学習プラットフォーム「Monoxer」を提供するモノグサ、細川慧介取締役CFOにもご参加いただきます。

Monoxerは学習塾などの教育事業者向けに提供される学習プラットフォームで、事業者は問題作成から配信、生徒さんの学習状況や記憶度の確認までを一貫してサポートすることが可能になります。また習熟度に応じて個人に最適化した問題を自動的に作成して出してくれるので、記憶定着が確かになる特徴があるそうです。

生徒の状況を可視化してコーチングにも役立つということで評判が広まり、現在、3400教室が導入を進める注目株となっています。公開収録当日は、WiL久保田さんに投資サイドからみたモノグサの魅力を語っていただくと同時に、現在、オンライン化が進む教育学習市場の状況を細川さんにお伺いしました。(本文の書き起こしは収録インタビュー動画の一部、文中敬称略)

最初にMonoxerについて教えていただけますか?

細川:私たちは記憶を日常にということをミッションに掲げています。誰でも、どんな知識、どんな情報でも、ストレスがかからず、自然に身に付けられる。そういった世界を作りたいなと思ってやっている会社になります。アプリケーションとして「Monoxer」というプロダクト、SaaS プロダクトとしての「Monoxer」を提供させていただいています。

いろんな機能があるんですけれども、ざっくり3つぐらいに絞ってお話ししたいと思います。

一つめに、「ラーナイゼーション」という言葉をたまに使ったりするんですが、情報とか知識そのもの単体だと学習しづらかったり覚えにくかったりすることが結構あるんですが、Monoxer であれば、情報・知識を入れていただくとそれを学習できる形、もっと言うと、問題を解くという形式にしてくれるということが非常に大きな特徴だと思います。

もう一つは、併せて今いろんな出版社さんや教材会社さんと提携していて、その方々が紙で出版されているものを Monoxer で学習・記憶できる形に少しカスタマイズしていただいたものを、モノグサのマーケットプレイスに出品いただいて、それを先生だったり生徒さんが購入して使うことができるというところ。

さらには、基本的にそういった形で先生方が作ったり配信する課題というものを、生徒さんがスマートフォンやタブレットのアプリケーションで学習していくんですが、その方の学習履歴を分析して、その人が今何をどれぐらい記憶しているのか、身に付けられているのか、および苦手なところとか得意なところは何なのか、ということを可視化してくれるという形になっています。

教育現場では、どのような使われ方をしているのですか?

細川:左側は、どっちかというと生徒さんが見るような、自分が今何をどれぐらい覚えているのかが見られる画面になっています。右側は先生方が見る画面になっていて、誰が何をどれぐらい覚えているのか?っていうことだったり、それ以外にも、先生が課題の配信と一緒に学習計画というものも付けられるんですけれども、その計画の進捗状況はどうなのかとか。

また、個人がいつ何をどれぐらい学習してるのかみたいなことがデータで見られる形になっています。こういったデータやファクトを先生方に見ていただいて、「じゃあ、より難しい課題を出してみよう」とか、「この子はなかなか時間を取れてないから、次に教室に来た時に励ましてあげよう」といった形でコーチングのためのツールとしても使っていただいています。

加えてモノグサの特徴的なところなんですけれども、生徒さんが問題を解くという行為を通じて記憶していただくんですが、人それぞれに得意不得意であるとか、知識量みたいなものに差がありますので、その人にとってちょうど良いレベルの問題というものを常に出し続けてあげるということを機械が采配しているというのが大きな特徴かだと思います。

たとえば、英単語を学習する時に、できる方であれば右側のような自由入力的なものにどんどんなっていきますし、なかなか難しいなとか、初めて英語を学ぶみたいな方でいくと、左側のように答えを写すみたいなところを機械が判断をして出してあげる。この一連の、問題の難易度の調整や学習量の調整をモノグサがしてあげることによって、どんな方でも心が折れずに、その人にとってちょうど良いレベルの問題というものを解き続けて、記憶定着まで行き着くことができるというところにが特徴になっています。

小中学校の学習プラットホームとしての使われ方が強調されていますが、語学や企業研修などにも用途は広がっているようですね。逆に、Monoxer でやりにくい領域の学習はありますか?

細川:大きく今現在二つかなと思います。一つは、学校的な領域では、難関大学の二次試験とかで出るような、論文があって論述的に回答するみたいなものに関しては、その基礎知識を付けるという意味ではモノグサは非常に有効なんですけれども、そのトレーニングが結果に直結するかというと、なかなか UX としてはフィットしないかなっていうところは正直あります。

それから、ちょっと僕らはまだ分かってないんですが、いわゆる肉体的な活動。オペレーションの業務的なものとか、体で覚えるもの。たとえばカンナがけのやり方とかですね。今のモノグサだとたぶんフィットしないかなと思っています。ただ、こちらも動作記憶なので、かなり先になるでしょうが、今後そういったものも解析をして、遠隔でもトレーニングできるとか、身に付けられるみたいなものはやっていきたいなと思っています。ちょっと野望的な感じですけどね。

ーーモノグサは「いわゆる教材は絶対作らない」と「やらないこと」を決め、プラットフォーマーとして各教室が持ってる教材をそのまま個人最適化できるような、もしくは生徒の進捗が可視化できるような、そういう仕組みを開発してきました。この仕組みは一見自由なように見えますが、教育現場では  Monoxer 用に教材を準備することは負担にはならないのでしょうか。

先生が教材を作るなど、Monoxer を使うにはオンボーディングに時間がかかりそうな気がしますが、ここの部分はどのように乗り越えられてるんですか?

細川:大きくコンセプト的な話を少しさせていただくと、まず、クリエイターエコノミーと教育の親和性はすごく高いと思うんですよね。自分で対面してる生徒に対して、その子にとってベストな教育をさせてあげたい。そのために自分のオリジナリティを発揮していきたいという方が、教育領域には他のジャンルより多いと思います。だから先生の創造性や熱意を信じる、ないしは、それらをうまく活用させてもらったり引き出したりすることは大きいと思います。

教育現場ではみなさん、実は小テスト的なもの、定期的に何か確認をするみたいなことは結構やられてたりするんです。それは Word なり Excel なりで結構まとまってたりするので、基本的にはそれを少し Monoxer 用に整えていただいて、インポートしていただくみたいなプロセスになるので、そこまで難しくありません。

ただ、より作り込まれているものだと難しかったりするので、そうした場合は出版社さんとか教材会社さんのものを使ってやられてる方も結構多く、マーケットプレイス(にある教材)をそのまま使ってくださいと。出版社さんとの提携の中で、紙の教材を買っていれば、Monoxer 上での学習に関してはコンテンツ代は出版社が取りませんみたいなケースも結構あるので、教材を作るところのオンボーディングは、今のところそんなにしんどくないかなと思っています。

教育現場の DX には、Monoxer はどのような効果をもたらしていますか?

久保田:モノグサが面白いのは、いわゆる LMS(Learning Management System、学習管理システム)的な要素もかなりある点です。教育の現場はものすごくペインが大きくて、アナログまみれで、紙・電話・鉛筆の世界なんですよね。小テストを1回やろうと思った時に、紙に問題を刷って、教室に生徒たちみんな集めて、今からやるぞって言って、これを配って、「ハイ、よーいスタート」って言って、60分計って、ハイ終わったって言って集めて、これを持って帰って丸付けして、でこれを配って、最後はその成果を封書で親御さんに送り届けるっていう、こういうことをやっているわけです。

全部紙と対面のインターフェースでやってるんです。これが Monoxer だと小テストをその上で作れてその上でできるわけですね。で、丸付けはもう自動的に終わってます、と。保護者もその成績を一覧できれいに見れる。封書が送られてくることもありません。先生のそういった負荷、紙まみれ・鉛筆まみれの負荷をデジタルで軽くしてあげたいっていう要素があります。導入すると恐らく導入負担はあるでしょうけど、逆に運用負担は紙に比べると相当軽くなるっていうメリットがあるんですよね。

記事編集:池田将、インタビュー:平野武士、動画編集:佐々木峻

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