AI分析をもっとオープンで身近に——現場の誰もが使えるデータ分析SaaS「datagusto」が正式ローンチ

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datagusto の皆さん。最前列が CTO 中村達哉氏、中列左から2人目が CEO パー・麻緒氏(千葉・幕張メッセで先週開催された「AI・人工知能EXPO」で)
Image credit: datagusto

datagusto は1日、SaaS 型 AI データ分析ツール「datagusto」の製品版を正式ローンチした。gusto(食べる喜び)という名前から連想させられるように、datagusto にはさまざまなレシピ(テンプレート)が用意され、ユーザはデータを〝食わせる〟だけで、簡単に分析ができるツールを目指している。用意されているレシピに適当なものがなければ、ユーザが自分で作ることも可能だ。

これまでの AI ツールの多くは、データサイエンティストが工数を減らしたり、作業を効率化したりするものが多かったが、datagusto は営業やマーケティングといった現場の人が、現場判断に必要な情報を分析するのに使うことができる。(分析の)実行ごとに自分の条件を設定できるシミュレーション機能などは、これまでのツールと大きな差別化要素だ。(CEO のパー麻緒氏)

datagusto は、外資コンサルファームでデータサイエンティストをしていたパー氏と、AI スタートアップで事業開発を担当していた中村達哉氏(CTO)が2020年4月に共同創業。二人はそれぞれ、大阪大学経済学研究科と大阪大学情報科学研究科の出身だ。パー氏は以前、海外高級ブランドのバイヤーを務める友人から、適切な発注数を予測する方法を尋ねられたことがあり、これが創業の契機となった。

Image credit: datagusto

現場で使える AI データ分析ツールとは、どのようなものだろう? 筆者の好きな言葉の概念に、仏教用語でいう「因果の道理」があるが、これを今風に解釈するなら、あらゆる事象は過去のデータ集積から導き出された統計処理によって、何をすれば何が起きるかの傾向が推測できることを意味する。パー氏は、datagusto が実現するであろう、いくつかのユースケースを共有してくれた。

  • テレアポで、担当者に一番繋がりやすい時間は何時だろう?
  • 何時にどの顧客に DM を打てば、最も開封されるのか?
  • どの顧客が最も解約しそうか? キャンペーンを打てば、その解約率はどのくらい下がるのか?
  • 明日営業にいく顧客にはどの商品を提案すれば、最も購買率が高いのか?
  • いつ値引きや特売日を設ければ、売上が最大化されるのか?
  • どの顧客がリピーターになってくれるのか? その顧客になにを提案すればいいのか?
  • このプロジェクトには、誰をアサインすれば最もパフォーマンスがでるのか?
  • いくらでこの商品を売れば売上が最大化できるのか?
  • この商品はどのチャネルで売ると、購買率が最も高いのか?
  • いつ、患者が何人退院して、ベッドが空くのか?
Image credit: datagusto

datagusto が実現しようとしている世界は、プログラムやソースコードでいうオープンソースの世界に近いかもしれない。これまでデータの利活用は社内の閉じられた世界で行われることが多かった。もっともデータそのものは社外への流出は厳禁かもしれないが、分析に用いたテンプレート、つまり、datagusto でいうレシピは、もっとユーザ同士で共有してもいいのかもしれない。

小さな成功体験を変えていきたい。現場が簡単に PDCA を回せるようにしたい。(パー氏)

datagusto は昨年10月にα版、今年4月にβ版をローンチ。同ドメインユーザ間でのレシピ共有機能、シミュレーション機能などを追加。今日正式ローンチした製品版の UI/UX は、UI/UX デザイナー集団「THE GUILD」の協力を得て大幅に改善された。datagusto はインフラ系 SI-er のユニアデックス、経営コンサルファームのフロンティア・マネジメントらと業務提携を発表しており、パートナーセールスで拡販していく計画だ。

datagusto は今年5月、シードラウンドで DEEPCORE、East Ventures、ゼロワンブースター、グロービスのアクセラレーションプログラム「G-STARTUP」から8,500万円を調達した。2021年3月には、リコーアクセレーションプログラムで、KDDI∞Labo 賞 を受賞。また同月、グロービスのアクセレーションプログラム「G-STARTUP Main Track」第3期に採択された。

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