新ユニコーン、ヘルスケア企業向けAPI「Truepill」が目指すAmazon化/GB Tech Trend

ユニコーン企業へと評価額を上げた「Truepill」(Image Credit:Truepill)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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今週の注目テックトレンド

10月27日、オンライン医療プロバイダー向けに医薬品・処方箋ネットワークを提供する「Truepill」が、1.42億ドルのシリーズDラウンド資金調達を発表しました。今回のラウンドを経て企業評価額は16億ドルへと成長し、ユニコーン企業入りを果たしています。

Truepillが提携するのは「hims」「GoodRx」「K Health」といったオンライン診療を提供する企業です。コロナの影響でオンライン診療が主流となり、デジタル完結する診療体験の社会実装が進みました。ただ、処方箋を受け取るフローも在宅社会に沿った体験になっているかと言えば違います。

医師による診断が手軽にできるようになりましたが、実際に顧客の元へ処方箋を届けるとなると、最寄りの薬局に連絡し、そこから最適な配達方法を選定する必要があります。こうしたフルフィルメント構築には、医療体験構築とは全く違う労力が求められます。そこで登場したのがTruepillです。

Truepillは全米に処方箋フルフィルメント施設のネットワークを所有し、顧客の住む地域に最短で処方箋を届けられるようにしました。クライアント企業はTruepillの処方箋APIを組み入れることで、ワンクリックで処方箋手配ができる配達体制を作ることができるのです。デジタル薬局市場におけるフルフィルメント領域を、ネットワーク型事業形態で抑えたのがTruepillということになります。

利用企業からはAPI導入と自社オンライン医療サービスとの親和性を高く評価されていますが、ヘルスケアEC文脈とのシナジーが高いのも受けています。

たとえば先述した男性医療品サービス「hims」は自社レーベルでの医薬品を開発していますが、himsのプロダクトをTruepillが提携する企業であれば販売できる、「ホワイトレーベル」のような展開も開始しています。Truepillのフルフィルメントを利用するヘルスケア企業であれば人気D2C商品を扱えるようになる、ある種の「相乗り戦略」によりヘルスケア市場のAmazonの市場ポジションも狙うようになっているのです。

当初は処方箋APIの切り口から市場参入をし、ユニコーン評価にまで成長を続けてきたTruepillですが、これからはEC文脈で自社フルフィルメント・ネットワークを最大限活かす戦略が伺えます。

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