個人事業主の契約から支払いまでワンストップ、HoneyBookが2.5億ドル調達

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個人事業者向けの顧客管理および財務プラットフォームを提供するHoneyBookは本日(訳注:原文掲載日は11月3日)、Tiger Global Managementと既存の投資家が主導するシリーズE資金で2億5000万ドルを調達したことを発表した。CEOのOz Alon氏によると、今回の調達した資金はHoneyBookの海外展開のための基盤作りとして、人材の採用と製品の開発に充てられる。

コロナウイルスの大流行に伴う労働市場の変動の影響を受けているのが、個人事業者や派遣労働者、オンラインプラットフォーム労働者、オンコール労働者、日雇いなどのギグワーカーだ。調査会社のStatistaによると、2021年10月の時点で、世界のギグ・エコノミー・ワーカーの52%以上がパンデミックの影響で職を失い、26%が労働時間の減少を報告している。それでもUpworkが実施した調査によると、米国では20%の人(1,000万人)がフリーランサーになることを考えており、その理由のほとんどがリモートワークと生活の柔軟性の向上にあるという。

カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするHoneyBookは、スタートアップアクセラレーターであるUpWest Labsの卒業生であり、フリーランサーや「ソロプレナー」のためのビジネス管理サービスを提供している。Alon氏は、2013年に妻のNaama Alon氏、Dror Shimoni氏、Shadiah Sigala氏とともにHoneyBookを立ち上げ、ギグエコノミーのフォトグラファー向けのウェディングアルバムサービスを開始した。当初の目的はクラウドソースによるウェディングベンダーのデータベースを構築することだったが、最終的にはプラットフォームの対象を広げることにした。

現在、HoneyBookはフリーランサーの仕事予約やスケジューリング、提案、請求書作成、支払いを支援するツールを提供している。ユーザーはテンプレートを使用してプロフィールページを作成し、クライアントが条件に同意した後、関連する詳細情報を自動的に取り込むモジュールを使用して契約書を作成する。その後、HoneyBookは重要な項目を強調して通知し、書類の確認と署名が実施されたことを全員に知らせる仕組みになっている。

「HoneyBookを立ち上げたのは、情熱を持った人がその情熱をビジネスとして成功させるために、必要なプロセスをすべて1つのプラットフォームに集約するためです。HoneyBookは顧客とのコミュニケーション、オンライン契約、支払処理などのツールを1つの場所にまとめることで、独立したビジネスが組織化され、顧客の流れやキャッシュフローを簡単かつシームレスに管理できるようにします。 HoneyBookは独立したビジネスが成功を収めるために必要なツール、リソース、コミュニティサポートを提供することを使命としています」(Alon氏)。

HoneyBookのアプリケーションはプロジェクトのファイルやドキュメントを共有し、テキスト、電子メール、チャットメッセージを1つのビューにまとめる。また、HoneyBookの課金サービスは定期的な支払い、予定された支払い、単発の支払いに対応しており、請求書の発行や契約、クロージングのプロセスを顧客に提供する。また、HoneyBookの自動化ツールセットは、電子メールでリマインダーを送信するようにプログラムすることもできる。

さらにHoneyBookにはコミュニティ機能もある。採用担当者が求人情報を投稿して返信を求めたり、7万5,000人以上のワーカーのネットワークに働きかけることができる、厳選されたクラシファイド(一行)広告ボードを提供しており、検索ツールを使って地域や専門性などで絞り込んだり、過去のプロジェクトやコラボレーションを紹介するプロフィールページを見ることができる。

「私たちが提供しているサービスの一部を提供している企業なら他にもありますが、私たちの主な競争相手は、多くの個人事業主がいまだに使用している複数のツールを組み合わせたパッチワークのようなシステムだと考えています。このようなオンラインとアナログのパッチワークのようなプロセスは複雑で、顧客の体験を悪くしているのです。HoneyBookは、個人事業主が最初の問い合わせから最終的な支払いまで、そしてその間のすべてのクライアントフローを管理するために使用できるオールインワンプラットフォームです。また、支払いや資本金などの金融サービスが組み込まれているため、ビジネスオーナーはキャッシュフローを簡単に管理することができます」(Alon氏)。

手強い強豪たち

ギグ・ワーカー、特に配達員倉庫作業員スーパーやコンビニエンスストアでのピッキング作業員などは、賃金や労働条件の改善を求めている。UpworkとFreelancers Unionが実施したFreelancers of America Surveyによると、ギグ・エコノミーは2027年までに米国の全労働力の50%以上を占めるようになると推定されている。つまり、一部の雇用主による劣悪な扱いを受けても労働者の一部は契約社員になることにためらいはなく、これはHoneyBookのビジネスにとって良い兆候とも言える。

HoneyBookは、フェニックスを拠点とするClearVoiceを最近買収したFiverrや、その他多くの企業と混雑したギグ・ネットワーキングの場を共有している。Upworkは昨年10月にIPOを申請した。また、Freelancer.comや、2020年12月に2500万ドルを調達したGuru.comもある。

しかしAlon氏はHoneyBookの幅広い機能、特に自動化と契約管理のツールが、他を圧倒していると考えている。創業以来、従業員129名のHoneyBookはそのプラットフォーム上で50億ドルのビジネスが予約され、そのうち18億ドルは2021年だけで発生したとしている。2021年には年間の収益が2倍以上になり、また現在までにHoneyBookは4億9800万ドルのVC資本を調達している。

「顧客基盤の規模は公表していませんが、現在は数万人規模で、新規加入者はこの1年で2倍以上になりました。しかし私にとってより興味深いのは目の前にあるチャンスです。私たちは、HoneyBookの恩恵を受けることができる個人事業主が何百万人もいると信じています。また、こういった仕事に対する機運が高まるにつれ、この労働力の規模は拡大する一方です。私たちの投資家もこの可能性に注目しており、だからこそ彼らは大きくここに賭けたのです」(Alon氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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