「独身の日」のネット爆買、今年は地方都市から初参加の人が増加か【米ベイン&カンパニー報告書】

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昨年の「独身の日」の Alibaba(阿里巴巴)売上は、4,982億人民元(約7.9兆円)に達した。
Image credit: (阿里巴巴)

経営コンサルティング会社 Bain & Company が3日に発表した報告書によると、今年の「独身の日(光棍節)」では、一級都市や二級都市よりも下級都市(都市部以外の地方都市)からの初めての買い物客が多くなるとのことだ。

重要視すべき理由:この変化は、中国における e コマースの新たな成長エンジンとして期待されている、三級都市以下の e コマースの成長を象徴するものだ。

詳細情報:中国最大のオンラインショッピングの祭典である「独身の日」は、毎年秋に開催され、中国の消費者の関心を集めている。13年前の11月11日に e コマース大手 Alibaba(阿里巴巴)が1日だけのイベントとして始めたこのイベントは、今では数多くのプラットフォームが参加し、1ヶ月間にわたるショッピングの祭典に成長した。Bain の報告書によると、調査に参加した3,000人のネットユーザーのうち、95%が購入を希望している。

  • 調査対象者の約半数が、昨年よりも多くの支出を予定していると答え、支出を減らす予定の人はわずか8%だった。一人当たりの平均支出予定額は2,104人民元(約37,000円)だった。女性の購入者は、男性よりも多くの支出を見込んでいる。
  • 中国の e コマース市場は依然として一元化されておらず、50%以上の消費者が少なくとも3つのプラットフォームで買い物をする意向を持っていることが報告されている。
    この報告書の共著者である James Yang 氏は、「中国の小売業は、ロイヤルティ戦略なしには成長戦略が成り立たない段階に差し掛かっている」と述べている。
  • 過去10年間、中国の顧客は、大幅な値引きやプラットフォーム間の激しい競争に慣れてしまい、プラットフォームもブランドもGMV(総取引高)を大きくすることに注力してきた。しかし、最近のプラットフォームは、GMV をあまり重視していない。
  • 報告書によると、小売企業やプラットフォームは、LTV(顧客生涯価値)や消費者維持率などの新しいベンチマークに注目している。
  • Alibaba や JD(京東)のような e コマース大手は、より多くの価値、より良いカスタマーサポート、より迅速な配送を提供する会員制プログラムで、すでにロイヤリティを高めている。

背景:Alibaba は、今年初めて「独身の日」を開始したプラットフォームとして、10月20日にイベントを開始し、持続可能性と包括性を強調した。

  • Alibaba のオンラインマーケットプレイス「Taobao(淘宝)」は、熱狂的な顧客の急激な流入によるトラフィック急増により、初日にクラッシュし、17分間ダウンしたままになったと、同社は Weibo(微博)の投稿で説明している。
  • Austin Li(李佳琦)氏や Viya(薇婭) などのトップ KOL(中国インフルエンサー)は、10月20日のライブストリーミングで総売上高189億人民元(3,350億円)を達成した。
  • JD は10月17日、「独身の日」に向けた1ヵ月間のプロモーションを開始し、食料品配送の関連会社 Dada Nexus(達達)とともに、新しいオンデマンド配送機能をキャンペーンに加えた。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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