独自AIが飲料の売れ筋を判断、Telexistence新型ロボット「TX SCARA」ファミリーマートに導入

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

業務支援ロボット開発を手がけるTelexistence(TX)は2日、ファミリーマートと共同で、TXが開発する独自のAIシステム「Gordon」を搭載した新型ロボット「TX SCARA」を霞が関にあるファミリーマート経済産業省店に導入すると発表した。店舗のバックヤードにて飲料補充業務を人手に代わって24時間実施することで、身体的負荷の大きい業務の効率化を実現する。

TX SCARAはバックヤードの狭いスペースでも稼働可能な水平多関節型のロボット。通常時はGordonが自動制御して稼働し、陳列に失敗した時はインターネットを通じて人が遠隔から直接ロボットを制御することができる。ファミリーマート側で今回の取り組みを推進した執行役員 ライン・法人室長 狩野智宏氏は以下のように期待を寄せている。

この取り組みは、テレイグジスタンス社が開発したロボットを店舗内にある飲料用冷蔵庫の中に設置し、飲料補充業務を24時間行えるものです。作業工数が大きく、負担も多い商品陳列業務を自動化・遠隔化することで、生産性の向上や非接触化、お客さまの利便性向上を高めてまいります。今後の労働力不足問題への有効なソリューションとなり、店舗におけるオペレーション負荷の大幅な軽減に繋がると考えています。(ファミリーマート 執行役員 ライン・法人室長 狩野氏)

またGordonは店舗の過去の販売実績データを学習することで、時間帯や季節により変化する商品の売れ筋に合わせて陳列タイミングを最適化する。これにより、一日約1,000本行われている飲料陳列業務を24時間ロボットが人に代わって作業することで、店舗スタッフはより付加価値の高い業務に専念できるとしている。

この取り組みはファミリーマートが2019年11月より参画する経済産業省が推進するロボットを活用した店舗の省人化や新しい店舗オペレーション基盤の構築を目指す「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」の一環として実施されている。Telexistence代表取締役CEOの富岡仁氏も今回の提携開始にあたり、次のようにコメントしている。

TXのミッションは、従来、工場内の静的な環境下でしか実質的に活用出来なかったロボットの活動領域を、AIと遠隔操作を組み合わせることで、工場の外、人の生活領域まで大規模に推し広げることです。日本やその他先進諸国においては、少子高齢化が不可逆的に進んでおり、このような人口動態の傾向を踏まえると、移民政策や出生率の向上に加え、身体的負荷の高い単純労働を、大きなスケールで大胆にロボットに代替させ、希少な人的労働力に新たな“余剰”を創出することが重要だと思っています。今般のファミリーマート様との取り組みは、国内に約56,000店以上あるコンビニエンスストアという生活インフラに新たな余剰を生み出し、人々の生活をより持続可能にすることにつながる重要なマイルストーンだと考えています。(Telexistence CEO 富岡氏)

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