拡大する顧客調査市場ーーZendeskが「SurveyMonkey」提供のMomentive買収(2)

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SurvayMonkey

カスタマーエクスペリエンス調査

(前回からのつづき)2007年にデンマークのコペンハーゲンで設立されたZendeskは、ベンチャーキャピタル投資で約8,600万ドルを調達し、2014年に上場した。近年は自動化に力を入れており、カスタマーサービス自動化のスタートアップであるCleverly.aiを買収し、顧客と会話をしながら回答を予測するアルゴリズムを用いて、顧客にとって有用な情報を見つけるサポートをするチャットボットを導入している。

Momentiveの買収に関するビジョンの中でZendeskは、統合されたプラットフォームが「顧客のニーズ、経験、期待に関する重要な情報」を収集するとともに、企業が「取引データと市場調査および洞察を組み合わせることで、顧客にフォーカスする」ことを支援すると述べている。また、Zendeskは「これら顧客データやフィードバック、市場の洞察を活用してチームの行動を促す」ことも可能にするとしている。

音声やチャット、電子メール、メッセージング、ソーシャルチャネルを介してブランドと顧客をつなぐプラットフォームを提供しているZendeskにとって今回の買収は、拡大する顧客分析市場でより大きなシェアを獲得するためのものと思われる。Verified Market Researchによると、世界のカスタマーアナリティクス市場は、2020年に52億4,000万ドルで、2021年から2028年までの年平均成長率が19.30%で推移し、2028年には208億2,000万ドルに達すると予測されている

カスタマーアナリティクスとは、顧客の行動から得られたデータをもとに、市場セグメンテーションや予測分析を行い、ビジネス上の重要な意思決定に役立てるプロセスのことだ。企業はこれらの情報をダイレクトマーケティングや立地選定、顧客関係管理などに活用する。McKinseyの最近の調査によると、顧客分析ソリューションを採用している企業のうち、50%が競合他社を「大きく上回る」売上を達成しているのに対し、遅れている企業は22%にとどまっている。

McKinseyの調査の共著者は「全調査参加者の3分の1が、顧客分析はビジネスの成功にとって非常に重要であると評価しており、マーケティングの原動力のトップ5に位置づけられている」と書いている。また「顧客分析を価格や製品の管理と同じくらい重要だと考えており、サービスや顧客体験を向上させるための行動よりも数ポイント低いだけで、20%しか成功しない広告キャンペーンの管理よりもはるかに重要だと考えています」とも記している。

なお、Zendeskは2022年前半に完了する予定のMomentiveの買収について、両社の株主に加え、規制当局の審査を受けることになっている。Momentiveの取締役会はこの取引を承認しており、これによりZendeskの株主は統合会社の約78%、Momentiveの株主は22%の株式を保有することになる(Momentiveの株式を発行済み株式1株あたり28ドルで評価した場合の比率)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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