2021年の世界ユニコーンランキングが発表、ByteDance(字節跳動)が時価総額3,530億米ドルでトップに

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上海の Bytedance(字節跳動)ビル受付で働くスタッフ
Image credit: TechNode/Emma Lee

Hurun Research Institute(胡潤研究院)が20日に発表したユニコーンランキングリストによると、TikTok を所有するByteDance(字節跳動)は、市場評価額が3,530億米ドルに達し、世界最大のユニコーンであることがわかった。Alibaba(阿里巴巴)傘下の Ant Financial(螞蟻金融)と Cainiao(菜鳥)がそれぞれ2位と9位を占め、評価額はそれぞれ1,500億米ドルと340億米ドルだった。

重要視すべき理由:今年は中国のテック企業に対する取り締まりやアメリカによる制裁があったにもかかわらず、ByteDance は成長を維持しており、中国トップのテック IPO 候補の1つだ。同社の時価総額は、1年前の800億米ドルから3倍以上になっている。

詳細情報:Hurun Research Institute は20日、時価総額10億米ドル以上で未上場スタートアップのランキング「Global Unicorn Index 2021(全球独角獣榜2021)」を発表した。Hurun Report(胡潤百富)会長兼主任研究員 Rupert Hoogewerf 氏は次のように述べている。

中国のスタートアップエコシステムの特徴は、テック大手がユニコーンをスピンオフする能力にあり、2014年に Alibaba からスピンオフした Ant Group など、世界のユニコーン50社のうち49社が中国から生まれている。

  • 上海とイギリス・オックスフォードを拠点とする Hoogewerf 氏は、中国名「Hu Run(胡潤)」としても知られている。
  • 中国のテック大手と比較すると、Microsoft、Apple、Amazon、Alphabet といった世界のテック大手は、ユニコーンへの投資に関しては「中国ほど積極的ではない」と Hoogewerf 氏は述べている。
  • 毎年恒例の年次リストに入った他の著名な中国企業には、JD Technology(京東科技)、フィンテックサービスの WeBank(微衆銀行)、ファッション小売の「SHEIN」、Instagram のようなライフスタイルコミュニティ「Xiaohongshu(小紅書、またの名前を RED)」、ドローンメーカーの DJI(大疆)などがある。
  • 報告書では、2020年から倍増した世界中のユニコーン1,058社がリストアップされた。Hoogewerf 氏は2021年を「スタートアップにとって過去最も成功した年」と呼んでいる。中国は現在301社のユニコーンを数え、世界全体の28%を占める。その多くは、e コマース、ヘルスケア、人工知能に焦点を当てている。
  • これらのユニコーンの総額は3.7兆米ドルで、ドイツの GDP に相当するとのことだ。
  • 報告書では、最も成功したユニコーン投資家として Sequoia Capital を挙げており、そのポートフォリオにはユニコーン206社への投資が含まれている。Sequoia Capital の次には、同じくアメリカの投資家である Tiger Fund、日本の投資家であるソフトバンクに続いている。中国の投資家である Tencent(騰訊)と Hillhouse Capital(高瓴資本)はそれぞれ8位と10位を占めている。

背景:中国のテック企業は、中国政府が市場独占やサイバーセキュリティの不備に対する取り締まりを強化した2020年秋以降、規制による逆風にさらされている

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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