カスタマサクセスプラットフォーム「commmune」、アメリカ進出へ——〝黒船来襲〟前に、世界市場先取を目指す

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高田優哉氏
Image credit: Commmune

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。

カスタマサクセスプラットフォーム「commmune(コミューン)」を開発・運営するコミューンは17日、アメリカ市場に進出することを明らかにした。同社はシリーズ A およびシリーズ B ラウンドで DNX Ventures を含む複数の投資家から資金を調達しているが、コミューンの創業者で代表取締役の高田優哉氏が自ら渡米し、DNX Ventures がサンマテオに持つシリコンバレーオフィスを拠点に活動を始める予定だ。活動を開始する具体的な時期については、ロジスティクスの調整のため未定だが、来年早期になるとみられる。

commmune は2018年5月、共に東京大学出身の高田優哉氏(CEO)と橋本翔太氏(当初 COO、現在は CPO)らにより設立。高田氏も橋本氏も、共に前職でアメリカで仕事をしていた経験を持つ。commmune は創業から約3年半を経て、現在、社員と業務委託を含め100名ほどが日本のオフィスで従事しているが、高田氏は今後、アメリカから、日本ビジネスの意思決定やアメリカでの PMF(プロダクトマーケットフィット)に注力する。日本オフィスにおけるチームビルディングなどは橋本氏が統括していくとみられる。

commmune は、企業向けにユーザエンゲージメントを向上させるためのコミュニティ環境を提供。オウンドメディアや note など一方的な情報発信では対応できない、自らの情報発信とユーザとのインタラクションを一元的に可能にする。会員アカウントを発行している企業では、自社の会員データベースと commmune を連携し、シングルサインオン(SSO)を実現することも可能だ。コロナ禍でさまざまな企業が顧客接点をデジタル化する必要(テックタッチ)に迫られる中、commmune のエンタープライズユーザは増えている。

Image credit:Commmune

このような企業のニーズは日本だけでなく、良質なカスタマージャーニーを追求する欧米市場においては存在しそうなものだ。しかし、高田氏によれば、commmune のようなプラットフォームは欧米市場に存在せず、また、一部似たような機能を持つサービスも十分に認知されておらず規模も小さいという。「そこに市場があるはず」と考えた高田氏は、欧米で commmune のようなスタートアップが生まれて日本に〝黒船来襲〟される前に、自分がシリコンバレーへ出張っていき、世界市場を先取するとの覚悟を語った。

オランダ発で「inSided」というサービスがあるが、commmune が C 寄りなのと対照的に、B2B にしか売っておらず。規模もまだまだ小さい。アメリカに進出するなら、日本市場を抑えて、上場してからで良いのではないかという意見もある。しかし、上場してからでは勝ち目が無いかもと思った。アメリカは、日本よりもスタートアップが成長するスピードが3倍くらいは速いと思っている。

日本市場を見てみると、CRM(顧客管理)も、MA(マーケティング分析)も、SFA(営業支援)も、それらのサポートツールも、メジャーをとっているのは全て外資系。commmune が解決している課題は、特定の国の文化に依存しないものだと思っている。カスタマーサクセスやコミュニティの領域も、いずれ外から黒船が来るのはこれまでの歴史が物語っている。今行くしかない。(高田氏)

高田氏が今回のような判断ができた背景には、投資家たちの目線の変化もあるだろう。従来であれば、起業家も投資家も、それなりに内需の大きい日本国内の市場を確実に抑えることを優先させてきた感があるが、海外の機関投資家が日本の VC などにも大型の資金を預けるようになり、成長可能性を最大化する観点から、より大きな市場がある世界へと打って出る行動に理解を得られやすくなった。今月、SoftBank Vision Fund 2から資金調達し、アジア市場への進出を本格表明したスニダンなどの例も記憶に新しい

高田氏は、日本で刺さったプロダクトがアメリカでそのまま刺さるとは考えておらず、PMF(プロダクトマーケットフィット)には一定の時間がかかるだろうと踏む。このため、アメリカでの市場展開においては、「売るもののカタチがまだ確定していない(高田氏)」ので当初はカントリーマネージャーなどを置かず、ジュニアクラスの社員を現地採用し高田氏自らがマネージメント、刺さりそうなプロダクトのカタチを模索しながら進めていくそうだ。

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