
重要なポイント:母乳でしか得られなかった免疫に相当するタンパク質を含む粉ミルクを開発する Helaina は11月19日、シリーズ A ラウンドでの2,000万米ドルの資金調達を発表した。
本ラウンドは Spark Capital と Siam Capital が共同で主導し、Primary Venture Partners、Plum Alley Investments、Tom Williams、Hannah Bronfman、Gabrielle Union、Matt Rutler、Barrel Ventures などの戦略的パートナーが参加した。
詳細:Helaina は2019年、ニューヨーク大学で食品科学を教える食品科学者のLaura Katz 氏によって設立。同氏は24歳の時に、ニューヨーク大学の最年少教授となった。
- また、同氏は Forbes が選ぶ「世界を変える30歳未満の30人」の Food&Drink 部門にも選出されている。
- 同社は「精密発酵(微生物を使って、特定の動物性たんぱく質を量産する技法)」の技術を活用し、母乳と同等レベルの免疫効果のあるタンパク質を作り出すことに成功した。この独自の発酵プラットフォームを活用し、より栄養価の高い粉ミルクを開発している。今回調達した資金は、商品化に向けた製造パートナーとの連携強化に活用されるという。
- Katz 氏は今回の調達に関して、下記のようにコメントしている。
代替肉や代替乳の分野では多くの革新と進歩が見られますが、育児用粉ミルクの分野は何十年も停滞したままです。赤ちゃんの栄養に関する選択肢を増やし、親御さんに新たなソリューションを提供するチームの一員であることを誇りに思います。
背景:Fortune Business Insights の2019年10月のレポートによると、2018年に約450億米ドル規模だった粉ミルク市場は、働く女性の増加を背景に2026年には2倍以上となる1,030億米ドル規模の市場に成長すると予想されている。
- 代替母乳を開発する企業の調達は、2021年に複数見られている。6月には Bobbie がシリーズ A ラウンドで1,500万米ドルを調達、また10月には Biomilq がビル・ゲイツ氏率いる Breakthrough Energy Ventures(BEV)を含む既存投資家がリードしたシリーズ A ラウンドで2,100万米ドルを調達した。
執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:池田 将
via FemTech Insider
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