各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは24日、2021年の日本におけるフィンテック業界を総括する10大ニュースを発表した。
これは2014年11月に開設された同社のオウンドメディア「Infcurion Insight」で、同社メディア&ラボ事業部マネジャー森岡剛氏が一昨年、および、昨年の同シリーズに、引き続き執筆したもの。フィンテックに特化した視点から、その年の出来事が簡潔にまとめられているのが特徴だ。
今年のレポートの目次を見てみると、
- 金融を身近にする Embedded Finance 始動
- BNPL の成長性が注目を集める
- デジタルチャネルでの金融利用が拡大
- キャッシュレス手数料問題が店舖 DX の議論へ
- デジタル商品券と地域通貨が自治体 DX 施策へと発展
- 経費精算から広がり始めた SME 向けフィンテック
- 国產フィンテックに海外勢も注目、国内支援も充実化
- 金融サービス多樣化を支える法制度が続々と実現
- デジタル金融時代に向けた銀行自己变革の動き
- 分散型金融 DeFi の可能性に期待高まる
……の10項目。昨年に比べると、BNPL(Buy Now, Pay Later=後払い)や Embedded Finance(埋め込み型金融)や DeFi(分散型金融)といった世界的な金融の潮流をそのまま反映したもの、個人のみならず、中小企業や店舗、自治体をも巻き込んだマネーのデジタル化の影響を受けたものが多いようにみられる。
インフキュリオンが8月に発表した決済に関する動向調査では、QR コード決済アプリの利用率が全年齢層で昨年3月の調査から10%以上増加し、全体で54%と過去最高を記録したほか、FeliCa 型電子マネーの58%に迫る勢いであることがわかった。また、個別のキャッシュレス決済サービスの利用率では「PayPay」が交通系 IC カードを抜いて2位となった。
インフキュリオンは今年3月に24億円超、今年10月に22億円を調達を調達した。いずれも、Embedded Finance の要素の一つである BaaS(Banking as a Service)事業を強化するためのものであることが明らかになっている。
9月には、昨年 Kyash から事業譲受したカード発行プラットフォーム「Kyash Direct(現在の名前は「Xard=エクサード」)」を活用し、マネーフォワードが事業用プリペイドカード「マネーフォワード ビジネスカード」の提供を開始した。カード会社ではないマネーフォワードが独自アルゴリズムを使った与信審査を行なっており、事前チャージ不要で決済が可能になる「後払い機能」など事業者向けの BNPL(Buy Now, Pay Later)サービスの布石としても注目されている。
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