VFR、ブルーイノベーション、藤和那須リゾートが協業、ドローンによるコテージへの空輸サービスの実証開始

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

ドローンメーカーの VFR、遠隔や自動での制御技術のブルーイノベーション、栃木・那須高原で大規模分譲別荘地「藤和那須ハイランド」の開発・販売や「TOWA ピュアコテージ」を運営する藤和那須リゾートは、ドローンを使ったコテージへの空輸サービスの実証実験を開始した。

これは、VFR と藤和那須リゾートが11月に発足させ、KDDI を含む18社が賛同企業として参加する「Hello DRONE Project」の一部として運用されるもの。Hello DRONE Project の活動としては、今月開始されたトイドローン「VFRee-T01」の発売と那須ハイランドパークでの新アトラクション「ハチャメチャ ドローン探検隊」に続き、第二弾となる。

藤和那須リゾートでは、来春にもドローンを使ったコテージへの空輸サービスの導入を予定しており、今回はその実証と認知向上を目的として実施される。ドローンには、自律制御システム研究所のドローン「ACSL-PF2」と PRODRONE のドローン「PD6B-Type3」の2機が使用され、安全運航管理システムにはブルーイノベーションの「Blue Earth Platform」を使用される。

荷物を空輸するドローン

実証がおこなわれるのは、那須高原の広大な敷地に点在する各コテージに、TOWAピュアコテージ既存飲食メニュー(ピザ、BBQ用食材)やサプライズプレゼント(婚約指輪、ノンアルコールの乾杯用ドリンク)をデリバリするサービス。ドローン空輸により、約894m の距離を空輸時間約3分で届ける。

VFR は、「技術と情熱で、人と社会の可能性を切り拓く」をビジョンに掲げ、2020年3月にソニーのコンピュータブランド VAIO の子会社として設立された。VAIO がパソコン事業で培った高度な設計・製造技術や国内外のサプライチェーンのマネジメント能力などをドローンにおいても有効に活用しているという。

KDDI は今年10月、KDDI Open Innovation Fund 3号から VFR に出資、ドローン事業拡大とドローンの社会実装の推進を目的として、VFR と業務提携契約を締結したことを明らかにしている。両社は、ドローンがあらゆる場面で活躍できる社会の実現に向け、スマートドローン(スマートフォンで遠隔制御できる長距離飛行可能なドローン)対応機体の品質向上や、機体開発における通信モジュールの組み込み支援、国内におけるドローン保守運用体制の構築などを目指すことを明らかにしていた。

KDDI は産業用ドローンを活用した地域課題解決、作業効率化などで多くの取組み実績があります。今回VFR様の「Hello DRONE Project」と連携してエンターテインメントの側面からドローンの活躍の場を広げる取組みをし、実証実験により利用者にワクワクを感じてもらえる仕組み作りが出来たと感じています。今後は配送の分野に限らず様々なドローンの協創モデルを VFR 様と作り上げたいと思います。(KDDI ビジネス開発部 原宜之氏)

従来、ドローンのサービス実証は過疎地域での老人向けサービス実証など、国や自治体の予算に頼ったものが多かったが、VFR ではこれと対照的に「ドローン社会実装後の体験価値を販売する」ことを目指しているという。同社は今後は、藤和那須リゾートだけでなく、ウェディング企画会社との協業で演出としての技術提供や、ドローンを使用した空中アート演出、 動画撮影サービスの展開も構築する予定だ。

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