Nvidia CEOが語った、地球まるごとデジタルツインと「Omniverse Avatar」の可能性(2/2)

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前編からの続き)

Jensen Huang 氏と GamesBeat の Dean Takahashi 氏
Image Credit: Dean Takahashi

デュアルユース技術

私は常々、野心的な企業がどのようにしてメタバースのようなものを構築するのか疑問に思っていたが、今になって、シミュレートすることがより重要なこともあることがわかった。それらを達成すれば、地球のレプリカという形で非常に特別なボーナスを得ることができる。このレプリカは、私たちの想像力を働かせて、独自のバージョンのメタバースを構築するためのジャンプポイントとして使うことができる。

これは、かつて軍用に開発された「デュアルユース技術」を想起させる。例えば、戦車の運転やジェット機の操縦を兵士に教えるための 3D シミュレータがある。これらのシミュレータは、バーチャルリアリティ・シミュレーションから戦闘機ゲームまで、現代の 3D ビデオゲームの基礎となっている。ここでは、非常に多くの専門家が参加する、史上最も重要な科学プロジェクトの一つが行われる。

世界各国の政府が Nvidia に必要な資金を提供してくれるかもしれないし、市場価値7,890億米ドルの Nvidia は自分でこれを構築する余裕があるかもしれない。そしてそれが構築されれば、現代のメタバースの基盤となることができる。

私が言いたいのはこういうことだ。我々、無料で何かを手に入れられることはあまりない。しかし、もし私たちが、気候を解読し、地球を滅ぼしかねないものを皆が理解できるようにするための問題解決に投資するのであれば、地球を滅ぼすことなく仮想世界を楽しむことができるメタバースのようなものを副産物として手に入れることができることに感謝すべきだ。

企業やゲームにおける Omniverse のアバター

The Earth-2 によるシミュレーションは、まもなく利用できるようになる。
Image Credit: Nvidia

別のレベルでは、Nvidia は、歩行者や自動運転車の行動をモデル化するために、AI のようなキャラクターも作っている。人間のような行動を再現するための投資を行っており、先ごろ AI を使ってゲームのノンプレイヤーキャラクターのような役割を果たすことができる 3D キャラクター「Omniverse Avatars」も発表した。

Huang 氏は、Omniverse Avatars には、音声認識、音声合成、テキストからの自然音声合成、多言語翻訳、フェイスアニメーション、アイトラッキングなど、質の高いゲームキャラクタを作るためのクールな技術が満載されていると述べている。

このようなゲームをプレイする際には、中にいるキャラクターに話しかけることになる。アバターは理解する。文字通り理解してくれる。あなたは「あそこに行って、右に行って」と言えばいい自分のチームやパートナーと話ができるようになる。それはとても面白いことになるだろうアバターは話し返してくる。アバターはコンピュータビジョンを持っている。前方に進むと、角を曲がったところに戦車が来ているのがわかるんだ。アバターにはそれが見えるのだ。プログラマーがソフトウェアにすべてを書き込むよりも、キャラクタが知覚を使うほうがずっと簡単だ。

Huang 氏は、Omniverse Avatars を作成した重要な理由の1つとして、より良い顧客サービスを提供することを挙げている。

ドライブスルー、ファーストフードの不足が深刻だ。我々は今、アバターととても良い会話ができるようにした。アバターとの会話は、どんな方法でも良いのだ。アバターにお勧めを聞くこともできる。ハンバーガーを表現する方法はたくさんあるが、アバターはその意味を認識してくれる。顧客サービス、インテリジェントな小売店のチェックアウトなど、あらゆることが可能だ。2,500万ものレストランや店舗があり、誰もが人手不足に悩んでいる。これは最も重要な分野の1つになるるだろう。

Omniverse Avatarsは、デュアルユース技術のもう一つの例だ。このアバターは、顧客サービスのために作られたもので、これは魅力的なビジネスモデルだと思いる。(しかし、ゲームの世界やメタバースの世界のリアルなキャラクターとして、何百万人もの人々が必要とする人間のようなアバターを提供することもできる。

これらのOmniverse Avatars は、我々が望めば Omniverse から切り離すこともできるとHuang 氏は言う。しかし、より現実的な新しい行動を学んだら、それを Omniverse  にフィードバックして、キャラクタのモデルを改善すべきだ。ここでも私は、Omniverse がメタバースになるのではないか、少なくともゲーム開発者が作るようなメタバースになるのではないか、という考えを持ち出した。

John Markoff 氏に対し、Jensen Huang 氏は表彰式に向け90分におよぶスピーチを準備したと語った。
Image Credit: Dean Takahashi

Huang 氏は次のように語ってくれた。

メタバースにはさまざまな用途がある。一般消費者、ビデオゲーム、そしてすでにお話しした一般消費者にとっては、我々がエンジンとなるだろう。我々こそ、その基礎となる技術だ。我々がそのエンジンとなるのだ。企業向け、特に産業向けでは我々がデジタルツインのための全体的なエンジン、全体的なシミュレーションエンジンとなるだろう。(中略)

エッジの場合、先ほどお話した小売店向けのアプリケーションは、企業でいうところのエッジ・コンピューティングだ。あまりにもかわいいものなので、もはやエッジ・コンピューティング・アプリケーションとは考えられない。しかし、これは究極のエッジ・コンピューティング・アプリケーションと言えるだろう。トラクターの車両群や AMR(自律移動ロボット)のロボット群ではなく、小さなアニメーションのキャラクターたちだ。これは、そのピクセルを動かすものだ。これはまさにロボット工学のアプリケーションだ。とてもかわいい。(中略)

エンタープライズ・エッジは、メタバースや Omniverse の大きな可能性の一つであり続ける。その反対側には、もちろんコンシューマ向けのものがある。コンシューマ向けの場合、我々が業界と協力する方法は、今日のビデオゲーム業界と協力する方法と非常によく似ている。我々は、基礎となるエンジンやインフラを提供する。それはクラウドかもしれないし、GFN(GameForce NOW、Nvidia によるクラウドベースのゲームサービス)かもしれない。彼らのクラウドかもしれない。我々は、エンジンレベルのインフラを提供する。(Huang 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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