TISとUPDATERが資本業務提携、脱炭素を実現するシステムやサービスで協業へ

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

TIS インテックグループの TIS と UPDATER(旧社名:みんな電力)は11月、資本業務提携を発表した。この提携を受けて、両社は互いの強みや顧客基盤・チャネルを通じ、さらなる再エネの普及・脱炭素社会の実現に向けた取り組みやサービス展開をしていく。これまでに、TIS が提供する電力小売システムなどの業務システムの構築を支援するトータルソリューション「エネLink」と、UPDATER の P2P 電力トレーサビリティシステム「ENCTION2.0」の相互連携を検討をしていることが明らかになっている。

「ENCTION2.0」は発電量と需要量を30分ごとにマッチングでき、どの発電所からどれくらいの量の電気を利用しているかをブロックチェーン上に記録することで、発電所を指定した電力取引が証明できるシステム。また両社は、「脱炭素施策の実現に向けたコンサルティングおよびシステム運用の支援」「SDGs 実現に向け、両社のノウハウを活かした新規サービスの共同企画・開発」についても検討している。

MUGENLABO Magazine 編集部の取材に対し、TIS は次のようにコメントを寄せた。

気候変動対策としての低・脱炭素化は、世界的な潮流で、最も注目度が高まっている社会課題であり、TIS の取り組むべき社会課題と考えております。低・脱炭素化には、再生可能エネルギーを社会により幅広くより早く普及させる必要があり、TISは、そのためのシステム構築とビジネスモデル創出に取り組みます。今回、再生可能エネルギー業界において推進力があり、ビジネス開発能力にも長けた UPDATER 様と協業することで、社会課題の早期解決に取り組む所存です。(TIS株式会社)

TIS は、Society5.0 で重要な戦略の一つである脱炭素化やエネルギーの地産池消、再エネ電力の環境価値移転などのエネルギー転換に向けた IT サービスの提供を行っていた。10月、ブロックチェーン技術を活用した「環境価値移転管理システム」開発を発表、また11月、EOS(イオス)のブロックチェーンを活用した「自己主権型アイデンティティ(SSI)」の事業展開に向けた実証実験を和歌山県白浜町で実施している。

UPDATER は、再生可能エネルギー発電所オーナーの顔や思いを公開した電力小売りサービス「顔の見える電力」を2016年に開始し、現在 約800社の法人・約7,500世帯の家庭に電力を供給している。また、ENECTION2.0を使って、現在270の発電所と約210社の企業の間で、発電所を指定した電力取引を実現した。今回の TIS との協業により、電力小売事業者・発電事業者向けの BPO サービス、P2P 電力取引プラットフォームの開発を加速させるとしている。

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録