本稿はBRIDGE Tokyoで配信したセッションの模様をお送りします。レポートまとめはこちらから
ここ数年は、ダイバーシティ(多様性)という言葉をよく聞きますが、皆さんのチームでも、Slack でさまざまな国の同僚と議論したり、プロジェクトを共に進めたりすることは、日常化しつつあるのではないでしょうか。BRIDGE Tokyo 2022 で、特にそんな観点から起業家やスタートアップで働く皆さんに役立つ情報は何かと考えました。
今回の海外セッションの企画にあたっては、世界中のスタートアップや企業との連携により、50カ国以上で事業展開するグローバルなオープンイノベーションチーム「アクセンチュア・ベンチャーズ(ACV)」にご協力をいただきました。ACV はアクセンチュアの社内横断組織で、全世界900名のメンバーが2021年上半期だけで350程度のプロジェクトを推進しておられます。
ニューヨークという街を形容するのに、melting pot(人種のるつぼ)という言葉があります。これになぞらえ、ACV プリンシパル・ディレクターの林智彦氏はセッションの企画にあたり、「global hot pot(世界寄せ鍋)」という観点で、各国で活躍するさまざまなプレイヤーがセッションで交わることにより、ビジネスのセレンティピティを生み出したい、と語ってくれました。
イノベーションを生み出しやすい、または、生み出そうとするのがスタートアップだとするなら、その力の源はダイバーシティから生まれるセレンディピティの豊かさではないでしょうか。3つのセッションを通じて、世界のエコシステムからのインサイト、繋がり、価値観などを感じ取っていただければ幸いです。
ダイバーシティプレイブック
ダイバーシティという言葉を体現する3人のパネリストによるセッション。
林さんは大手広告代理店の勤務を経て、以前はデジタルブティックの nuuo、ロボットスタートアップ nubot の CEO を務めておられました。スタートアップでは、アーティストという、自分とは異質な人々と仕事したことで生まれた多様性のメリットを自ら体験され、その後、世界的コンサルファームに環境を変え、新たな境地を切り拓こうとされています。
Karpelowitz さんは、Dell Technologies のアジア太平洋日本部門で、さまざまな人材採用や配置を務めておられる立場から、経営者が考えるべき、職場における人材多様性の心得などについて語っていただきます。
物延さんは、香港と東京に拠点を置くブランディング会社 UNITY ZERO の CEO を務めておられます。UNITY ZERO を起業するにあたっては、自分とは全く異質の関係にある、中国人女性を意図的に共同創業者に迎えることにした経緯と、そこから得られたインサイトを共有していただきます。
海外進出でしくじらない3つのルール
データに基づきプラットフォームを介して自動で売買される広告をプログラマティック広告といいます。マス向け商品の広告がテレビ地上波の CM などでプロモーションされる先進国とは対照的に、アジア太平洋地域では Google や Facebook などが広告プラットフォームとして多用されます。それゆえ、プログラマティック広告は、アジア太平洋地域で成長が著しいバーティカルの一つです。
アジア太平洋地域と言っても、国や地域によって法律や規制、現地のビジネス慣習、現地社員の雇用方法などはさまざまです。スタートアップが事業拡大する上で国際進出は至上命題であり、その問題をどう解決すればいいか。オランダに本拠を置きながら、アジア太平洋地域にの数多くの国に進出するプログラマティック広告のスタートアップ BidMath CEO の KK Sharma 氏に話を聞きます。
また、今回 BidMath をご紹介いただいたアクセンチュアの三木さんには、さまざまなスタートアップの国際事業展開を支援されてきた視点からのお話を伺います。
中国スタートアップトレンド
中国発の一大スタートアップメディア 36Kr(36気)が生まれたのは2011年のこと。私は縁あって創業まもない 36Kr のオフィスを訪れたことがあります。北京大学や清華大学の学生らを中心に立ち上がった彼らもまたスタートアップでしたが、その後、コワーキングスペースをはじめ、さまざまな事業を手がけ、中国のみならず、世界のスタートアップを扱う事業に成長しました。
Max Ma/馬成さんは、36Kr の国際事業会社である 36Kr Global の CEO を務めておられます。BRIDGE でも中国のニュースは折に触れてお伝えしていますが、中国現地の識者の目から見た、見逃せない中国のスタートアップトレンドを共有していただきます。聞き手は、アクセンチュアのストラテジーグループ マネジング・ディレクターを務めておられる唐澤さんにお願いしました。
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