本稿はBRIDGE Tokyoで配信したセッションの模様をお送りします。レポートまとめはこちらから
感染症拡大に伴って、スタートアップをはじめ、多くの企業が使ったワード、それが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ではないでしょうか。非接触・非対面を余儀なくされることで、例えば日本企業のアタリマエだった「押印」という行為は一気にオンライン化が進み、代表的なサービスのひとつ「クラウドサイン」を提供する弁護士ドットコムの業績を大きく押し上げています。
一方、この言葉を使う側からすると、その指し示す範囲が広大で、悩む場面が多かったのも事実です。デジタルツールの提供だけでなくその業界構造、例えばサプライチェーンのあり方を変えてビジネスモデルに変革をもたらす、それこそがDXだと言われるともっともだと思いつつ、ではそれは一体何なのだろうとなるわけです。ステレオタイプにこうだという答えはあるのでしょうか?
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そういう意味でLayer Xというスタートアップが掲げる「すべての経済活動をデジタル化する」というミッションは意欲的というか、大胆でした。彼らはブロックチェーンによる自律分散・権利移譲のプログラム化という新しいパラダイムに備え、2018年を前後に誕生したスタートアップです。
正直、最初の1年は彼らがどこに向かうのか、掲げるビジョンに対するHowが見えづらい状況でした。しかしその後、凄まじい数とスピードの意思決定を繰り返し、Layer Xは現在のミッションを発表するに至ります。さらにこれを実現するためのHowとして、銀行と証券のデジタル化、そしてプライバシー技術の確立に向けた3事業を明確に打ち立てています。特に昨年末にリニューアルしたSaaS「バクラク」シリーズは垂直立ち上げに成功しつつあり、国内における経済デジタル化の源流がどこにあるのか、その倒すべきセンターピンを明らかにしました。
そこでこのセッションでは、Layer Xグループの2社・3代表に集まっていただき、このグループの全体像を改めてそれぞれの言葉で整理する機会をいただきました。また、セッションの後半では、改めて事業の土台が出来つつある中で、デジタル化した社会がどうなるのか、どうあるべきなのか、3人のご意見もいただいています。ブロックチェーンと産業デジタル化という大きなパラダイムのど真ん中で戦うスタートアップがどういう流れで事業を立ち上げてきたのか、ご興味ある方の思考整理の一助になれば幸いです。
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