新年を象徴づける一週間、NFT と AR ウエアラブルのニュースで幕開け【Canvas 1月号(1月1日〜1月7日)】

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新年を象徴づける一週間、NFT と AR ウエアラブルのニュースで幕開け

今週の話題(1月1日〜1月7日):NFTマーケットプレイス「OpenSea」、3億米ドルをシリーズC調達しデカコーンに——時価総額は半年で9倍ARコンタクトレンズのMojo Vision、4,500万米ドルを調達——提携各社とアスリート用ウエアラブル開発へ

日本は週のほぼ半分が年始休みだったわけですが、アジア圏は旧正月、また、欧米はクリスマスに休みを取りますので、国内よりも海外のニュースが多い週でした。NFT 百花繚乱を象徴する出来事として、OpenSea のデカコーン入りのニュースは注目に値するでしょう。昨年11月に The Information が「もうデカコーンかも…」と伝えていましたが、この観測が裏打ちされた形です。

2017年に創業、2018年に Y Combinator 冬バッチから輩出。わずか3年で時価総額は130億米ドルに達しました。ここ半年程度で時価総額は約9倍に増えた計算で、OpenSea の取引量が昨年600倍超、取扱金額が直近の1ヶ月で24億米ドル以上と、超好調の業績内容が背景にあります。

Image credit: OpenSea

また、新型コロナウイルスの感染拡大で開催時期は短縮されましたが、CES(Consumer Electronics Show)が2年ぶりにラスベガスでリアル開催されました。大手メーカーの中には出展や参加を断念したところも少なくなかったようですが、その分、露出度を上げたいスタートアップにとっては好都合のようでした。

そんな最中、CES に参加していた AR コンタクトレンズの Mojo Vision が、4,500万米ドルの調達を発表しました。同社はランニング/トレーニング、サイクリング、ハイキング/アウトドア、ヨガ、スノースポーツ、ゴルフの分野で各メーカーとアスリート用のウエアラブル開発に着手します。スマホやウォッチを見なくても、パフォーマンスドリブンな運動ができる将来が期待されます。

今月の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

ハウスクリーニングや修理・手入れのユアマイスター、VCなど複数社から23億円を調達(1月6日)

  • ユアマイスターは、VC など複数社から23億円を調達したと発表した。今回が初めての資金調達の発表となるためラウンドステージは不明だが、INITIAL はシリーズ D ラウンドと伝えている。今回ラウンドに参加したのは、インキュベイトファンド、SMBC ベンチャーキャピタル、ジャフコ グループ(東証:8595)、みずほキャピタル、グロービス経営大学院、Z Venture Capital、フォースタートアップスキャピタル、あけぼの投資顧問、Axiom Asia と、名前非開示の3社。

東北大発・脳ドック用ソフト開発のCogSmart、3.5億円をシリーズA調達——MRI画像AI解析で認知症リスク低減を支援(1月6日)

  • 脳ドック用ソフトウェアを開発する CogSmart は、シリーズ A ラウンドで3億5,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、オムロンベンチャーズ、アイロムグループ(東証:2372)、DG Daiwa Ventures、アイティーファーム、MAKOTO キャピタル、名前非開示の個⼈投資家。この調達を受けて、CogSmart の累積調達額は4億1,000万円に達した。

アジアのニュース

今月のアジアのニュースをお届けします。

NFTマーケットプレイス「OpenSea」、3億米ドルをシリーズC調達しデカコーンに——時価総額は半年で9倍(1月5日)

  • 世界的 NFT マーケットプレイス「OpenSea」はまもなく、Pradigm と Coatue がリードするシリーズ C ラウンドをクローズすると見られている。このラウンドで OpenSea の時価総額は130億米ドルとなり、100億米ドルを超えたスタートアップに与えられる呼称「デカコーン」に達することになる。The Information が昨年11月に伝えていた報道を裏付けた形だ。

中国人民銀行、デジタル人民元のウォレットアプリを発表など——中国ブロックチェーン界週間振り返り(1月5日)

  • 中国人民銀行(PBOC)は、各種アプリストアでデジタル人民元のウォレットアプリをリリースした。 国家デジタル通貨を開発する中国人民銀行デジタル通貨研究所(数字貨幣研究所)もこのアプリの開発を担当した。このアプリは消費者向けの決済アプリで、中国人民銀行がデジタル通貨を使ったデジタルウォレットや取引所、流通サービスの試験運用を行うのに役立つ。

AI搭載心電計開発Huinnoが上場目前に42億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(1月4日)

  • AI 搭載の医療機器開発企業 Huinno(휴이노)が435億ウォン(約42億円)を調達。国内1位の市場シェアを作り、海外市場攻略に乗り出す計画。2022年上場予定。

台湾出身の人気俳優夫婦経営の化粧品D2C、中国政府のライブコマース取締強化でマルチ商法の捜査対象に(1月3日)

  • 中国の市場規制当局は、台湾の有名人カップルである Zhang Ting(張庭)氏と Lin Ruiyang(林瑞陽)が設立したオンライン化粧品ブランド「Tin’Secret(庭秘密)」に対するマルチ商法調査を開始した。中国では、e コマース関連の不正行為の取り締まりが続いている。

韓国の美容ブランド特化流通スタートアップB2LiNK、デジタルスキンケアコミュニティ「Picky」を買収(1月1日)

  • 世界市場での需要をかき集めるために軌道修正した韓国の美容製品アグリゲーター B2Link(비투링크) は、デジタルスキンケアコミュニティの Picky を買収し、大きな可能性を秘めた化粧品のローカルラインナップを作り上げた。両社は買収規模を明らかにしていない。

ブロックチェーンゲームスタートアップYGGのサブDAO、サブネットワーク用トークン「SEA」発行へ(1月1日)

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