福岡発ポッドキャストのCOTEN、月額課金で支援する法人メニューを正式ローンチ——中川政七商店、住友生命など13社が参加

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福岡を拠点とする COTEN は、ポッドキャスト「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」を運営している。昨年6月には、複数の企業やエンジェル投資家から約8,400万円を調達し、世界史データベース「coten(仮称)」の開発に着手することを明らかにしていた。このデータベースは今春にも、プロトタイプがクローズドで公開される予定。

同社では事業継続のために、広告掲載や資金調達に依存しない収入源の確保を模索していたが、24日、COTEN の活動に賛同する法人から運営資金の一部を募る「法人 COTEN CREW」という会員制度を正式に開始することを明らかにした。会費は月額5万円(税別)。すでに13社が参加の意思を表明している。現時点で参加を明らかにしている企業は、中川政七商店、住友生命、flier など。

COTEN では、法人 COTEN CREW に先立ち、月額1,000円(税別)の個人サポート制度(COTEN CREW)の運用を開始している。個人サポーターはポッドキャスト番組のボーナスエピソードやアーリーアクセスといった特典が得られるが、サポーターの多くは特典よりもむしろ、「事業応援や番組存続」や「パーソナティが好き」など、見返りを期待していないことが調査で分かったという。

左から:樋口聖典氏、深井龍之介氏、楊睿之氏
Image credit: Coten

2018年11月にスタートしたコテンラジオは、福岡を拠点に、深井龍之介氏(COTEN 代表取締役)、楊睿之氏(COTEN 広報、日本史担当)、樋口聖典氏(BOOK 代表)らが繰り広げるポッドキャストだ。SpotifyApple PodcastGoogle PodcastVoicy など複数のプラットフォームで聞くことができる。これまでに307のエピソードが公開され、Apple Podcast 総合ランキング1位、Spotify 総合ランキング最高2位などを獲得している。

COTEN では、COTEN RADIO で1月13日から全4回となる「資本主義」シリーズを配信しているが、今日(24日)から配信が開始された3回目(エピソード #236)では、資本主義が利潤の追求が根底にあるため、どれだけ価値があっても、一見、儲かりそうにないものに資金が集まりにくい点に言及。法人 COTEN CREW の導入により、自らが試金石となって、ポスト資本主義のモデルを模索する意図があるようだ。

COTEN が昨年8月に発表した調査によると、COTEN RADIO のリスナーは、会社員が51.5%、自営業・個人事業主が10.5%、パート・アルバイトが6.8%、経営者・会社役員が6.1%を占めている。最新のユニークリスナー数は不明だが、昨年の値から20万人弱前後と推定される。会社の経営者など経済人も少なくなく、今回の「資本主義」シリーズには大きな反響が寄せられたという。

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