ネオバンクのCrowdo、7億円をプレシリーズB調達——インドネシアで女性起業家向けESG融資プログラムを立ち上げ

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Crowdo 共同創業者。左から: Nicola Castelnuovo 氏、Leo Shimada 氏
Image credit: Crowdo

<12日午前11時30分更新> マレーシアでのエクイティ投資は閉鎖していない。該当箇所を訂正線で削除。原文(e27)は追って訂正される見込み。

シンガポールに本社を置く中小企業向けネオバンク Crowdo は、プレシリーズ B ラウンドでコンバーチブルノートにより800万シンガポールドル(約6.8億円)を調達した。

この資金調達は、既存株主の Gobi Partners と iVest Capital(東南アジアに特化したファミリーオフィス)、SEEDS Capital(シンガポール企業庁 Enterprise Singapore の投資部門)が共同でリードした。

また、Crowdo はシンガポールに拠点を置く Impact Investment Exchange(IIX)から、革新的な「女性向け生計向上債券シリーズ(Women’s Livelihood Bond Series)」の4番目の発行となる WLB4Climate を通じて、デットファイナンスも行った。

今回の新たな資本注入により、Crowdo は十分なサービスを受けていない中小企業向けに ESG(環境、社会、ガバナンス)主導の融資商品を拡大することができる。今月には、女性主導の企業を対象とした新しい ESG 融資商品を発売し、2022年中に単独で最大1,600万シンガポールドル(約13.6億円)の融資を行う予定だ。

Crowdo の CEO 兼共同創業者 Leo Shimada 氏は次のように語っている。

当社の主力商品の1つは、男女平等を推進し、女性の融資へのアクセスを向上させるため、今後数年間で女性主導のビジネスや企業に最大5,000万米ドルの融資を提供する。

Shimada 氏と Nicola Castelnuovo 氏によって2017年に設立された Crowdo は、中小企業の業務をデジタル化して生産性を高め、融資や銀行商品を理解し利用するための2つのオンラインプラットフォームを提供している。

Crowdo はすでに新興国のサービスが行き届いていない中小企業に対応しており、ESG インパクトを考慮した特別仕立ての融資商品で社会的インパクトを高めたいと考えている。(Shimada 氏)

Crowdo は、140万シンガポールドルのシリーズ A ラウンド以来、これまでに1億シンガポールドル(約85.4億円)以上の資金を調達したという。同社は、2021年中に月次収益成長率5倍を記録したという。

Crowdo は、インドネシアで金融サービス機構(Otoritas Jasa Keuangan, OJK)からデジタル融資のライセンスを受けており、また、マレーシアの証券委員会に登録されている。

マレーシアでは、高成長のスタートアップにエクイティファイナンスを提供し、1000万シンガポールドル(約8.5億円)近くのエクイティ投資を促進したが、2021年に閉鎖した

インドネシアでは、デジタルバンク、マルチファイナンス機関、従来型銀行と複数の提携を結び、中小企業の資金調達のために、テック主導の買収・オンボーディングインフラと AI 主導の信用評価技術を提供している。

Crowdo は2020年半ばからグループの黒字化を達成すると自負している。

マッキンゼーのレポートによると、アジア太平洋地域の新興市場において、デジタルバンキングを積極的に利用する消費者の割合は、2017年の54%から2021年には88%に急拡大したそうだ。一方、アジア太平洋の先進国市場の消費者のデジタル導入率は約90%で安定している。

【via e27】 @E27co

【原文】

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