大量の埋め立てゴミを救えーーゴミ管理プラットフォーム「RoadRunner Recycling」が7,000万ドル調達

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RoadRunner in action

企業が埋立地行きのゴミを転用させるためのデータ駆動型・廃棄物管理プラットフォームであるRoadRunner Recyclingは、General Atlanticの新しい気候投資ファンドであるBeyondNetZero.からシリーズDラウンドで7,000万ドルを資金調達した。

世界的な気候変動は、あらゆる産業分野の企業にとって大きなジレンマとなっており、企業は環境への影響に対処するよう、ますます大きな圧力と監視の下に置かれている。しかし、特に複数の拠点やベンダー、システムで事業を展開する大企業にとって、その実現は「言うは易く行うは難し」であることが多い。RoadRunnerはこの問題の解決に取り組んでいる。

同社の創業者兼CEOであるGraham Rihn氏は、VentureBeatの取材に対し、「私たちは、大企業における従来の廃棄物・リサイクル管理につきものの、業務上の非効率性を解決する」と語っている。さらに彼は「企業は一般的に、ポートフォリオにある日々の廃棄物やリサイクル業務を適切に管理するための時間とリソースが不足しており、経費削減やESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組みを進める機会を得ることが事実上不可能になっている」と指摘した。

ビッグデータによる洞察

多国籍メーカーのAvery Dennisonなどの企業は、日々の廃棄物・リサイクルプログラムの管理にRoadRunnerを使用している。機械学習に基づいて構築されたRoadRunnerのプラットフォームは、さまざまな産業で発生する材料の量を予測し、どの廃棄コンテナが最も効率的にリサイクルでき、推定廃棄物を整理することができるかを予測することができる。

RoadRunnerが機械学習アルゴリズムに取り込むデータの種類としては、廃棄物の量、産業タイプ、位置データから顧客の関係者(顧客、リサイクルショップ、埋立地など)への近接度まで、あらゆるデータが含まれる。

「私たちは廃棄物管理プログラムの一環としてコストを削減し、リサイクルを拡大するために、それぞれのお客様にとって最も効率的な結果を推奨する予測モデルを構築しました。私たちの提案はそれぞれのお客様の場所に合わせたものですが、多くの場所にまたがって全国的にスケールアップできるように構築され、自動化されています」(Graham Rihn氏)。

優れた機械学習アルゴリズムと同様にRoadRunnerは、より多くのデータが複合的に追加されるため、現在と過去の結果を比較してより良い提案が可能で、かつ、時間の経過とともに改善されると主張している。

さらにRoadRunnerは、収集とリサイクルが必要な材料が最も効率的な方法で輸送されるよう、パートナーの輸送パートナー用にカスタマイズされた経路を作成することもできる。これは、コストを削減することで企業のリサイクルを奨励するように設計されている。そのため、クリーンで完全に分別された(つまり汚染されていない)材料は、最も近いドライバーによって回収され、最も近いリサイクル施設に投下されることになるのだ。

「この方法によってRoadRunnerはトラックを所有しない、資産の少ない組織として運営することができ、従来の廃棄物運搬プロセスにかかる環境コストや金銭的コストを回避することができるようになっているのです」とRihn氏は付け加えている。

Above: Drivers’ eye view of Roadrunner

では、RoadRunnerは一体何に挑戦しているのか。RoadRunnerが置き換えようとしている既存のソリューションとは何なのか。

「RoadRunner が登場する前は、企業は固形廃棄物の処理企業と契約していました。そこでは従来の運搬や材料分別の非効率性から材料の約 95% が埋立地に運ばれていたのです。つまり、従来の顧客体験はオフラインだったのです。RoadRunnerと契約すれば、私たちは彼らの資材管理のパートナーになり、既存の固形廃棄物の処理企業を取り込みながら、彼らのビジネスに合うようにカスタマイズした柔軟なリサイクルオプションを導入することができるようになります」(Rihn氏)。

2014年にペンシルバニア州ピッツバーグで設立されたRoadRunnerはこれまでに約6,000万ドルを調達し、さらに7000万ドルのキャッシュを保有している。同社は企業が廃棄物を削減するための技術に対する需要に対応するための資金が十分にある。さらにデータは横つながりとして機能する。例えば、先月には炭素管理会社のSweepが2200万ドルの資金を調達した。この会社は、ビッグデータ分析で大企業の二酸化炭素排出量を削減することを目的としている。

「私たちは次の成長段階において、地球と私たちの未来を守るための永続的な変革に向けて推進する、というRoadRunnerのビジョンを達成できると確信しています」(Rihn氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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