ロボット産業は企業が組織全体のプロセス自動化を目指す中、成長を続けている。McKinseyによると、88%の企業が今後数カ月のうちにロボティクスによる自動化を自社のインフラに折り込むことを計画しているとのことだ。また北米に拠点を置く企業は、2020年に31万台以上のロボティクスシステムを発注し、業界の収益は推定15億ドル超となるなど、この分野が好調であることを証明している。
一方、ロボットが人間の仕事の一部を代替するのではないかという懸念がある。
最近のMITの研究によると、ロボットが労働力に加わるごとに3.3人分の仕事を代替する効果があり、オックスフォード・エコノミクスは、2030年までにロボットが2000万件の製造業の仕事を代替すると予想している。ただ、ロボットは複雑な問題を解決するために人間と一緒に働くことも可能であり、現在もそうなっている。Loup Ventures社のレポートによると、2025年までに販売されるロボットの34%は協働型で、「協働型ロボティクス」市場の売上は2020年までに10億ドルに急増すると予測している。
協働型であろうとなかろうと、ロボットのオーケストレーションには、エンジニアだけでなく、ロボットを導入する企業の経営者が意思決定できるツールが必要だ。Formantは、Google、Savioke、Redwood Roboticsの元ソフトウェアエンジニア、ロボティシャン、プロダクトマネージャーによって設立された新興企業で、大規模なロボット群を管理するためのクラウドベースのプラットフォームを開発するサプライヤーだ。Formantは本日(原文掲載日は1月5日)、SignalFireが主導するシリーズAラウンドで1800万ドルを調達したと発表しており、そのソリューションにより、企業は遠隔地を含むほぼどこからでもロボットの操作、監視、分析を行うことができるとしている。
ロボットの管理
Formantの創業者であるJeff Linnell氏は、ロボット工学のキャリアの初期、企業がすべての機械や自律型デバイスを管理できるプラットフォームを必要としていると述べている。Linnell氏は以前、巨大な機械アームとカスタムソフトウェアを組み合わせた映画向けのブティックデザインスタジオ「Bot & Dolly」を共同設立していたが、2014年にGoogleに買収された。そして彼はグーグルのロボット部門の製品責任者を務めた後、オートメーションのベテランやエンジニアとチームを組み、Formantを設立した。
「私たちはすぐに、すべてのロボティクス企業が特色あるものだと気がついたのです。そこでコア機能に加え、Formantの(製品を)拡張可能にするため、また、顧客がFormant内部で我々のデータやインフラを使ってカスタムアプリを構築できるようにするため、APIにも早くから投資しました」(Linnell氏)。
Formantは企業がロボットの一群を監視し、アラートを受信し、何か問題が発生したときに根本原因の分析に着手することを可能にする。このプラットフォームを利用することで、顧客は過去とライブの遠隔測定データを閲覧し、フリートオペレーターやビジネスアナリスト向けに安全性、効率性、パフォーマンス監視のダッシュボードを設定することができる。Formantは現場、顧客の地域、ハードウェアのバージョンなどの次元に沿ってデータの集計を実行し、目標を定義するのに役立つ。さらにこのソフトウェアでは、従業員が興味のあるタグを付けて共有したり、フィールドオペレーションチームと協力してビデオクリップなどの追加のデータフィードを取得し、アップロードすることができる。(次につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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