NFTでeSportsを「Play to earn(遊んで稼ぐ)」に変えるSpring Games、イスラエルゲーム大手Playtikaから700万ドル調達

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Spring Games’ founders (left to right): Idan Amir, Dana Amir, Lital Natan, Dror Holinger.
Image Credit: Benny Gam Zo Letova

イスラエルのスタートアップSpring Gamesは、ブロックチェーン上でNFTを搭載したゲームを開発するために、Playtikaからシードラウンドで700万ドルの資金を調達した。

Spring Gamesが手がける最初のゲームは「MaxiBoom」だ。このeSportsゲームは24時間に及んで開催されるスキルベースのトーナメントで、プレイヤーに高額な賞金を提供するものだ。

同社は、MaxiBoomをブロックチェーン上でNFTを活用した「Play to earn」のゲームに転換し、ブロックチェーンのインフラ上で新しいゲームを開発する予定だ。NFTはブロックチェーン上にデータが保存されており売買が可能になっている。ゲーマーはいずれ、同社の暗号資産を「マイニング」したり、所有するNFTを売買したりしてお金を稼ぐことができるようになると同社は述べている。Spring Gamesはプレイヤーが報酬を獲得して仮想グッズを所有し、気に入れば転売できる「Play to earn」形式のゲームを作ることになるのだろう。

Playtikaはイスラエルで上場している大手モバイルゲームパブリッシャーで、今回はNFT関連との初の提携となる。

Spring Games’ team

Idan Amir氏によると、Spring Gamesはいち早く市場に参入し、2022年半ばまでに独自通貨を発行する予定だそうだ。

MaxiBoomは無料で遊べるMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)ゲームで、ゲーマーのバトルスキルが試されるゲームだ。プレイヤーは、ソロで戦うことも、チームメイトと一緒に戦うこともできる。このゲームでは、様々な武器と複数のアリーナが組み合わされている。プレイヤーがライバルを倒せば倒すほど、Maxiコインを獲得することができる。

Spring GamesはCEOのIdan Amir氏、ゲーム業界出身のシニアテクノロジストであるCTOのLital Natan氏、業界で20年の経験を持つCPOを務めるDror Hollinger氏、CFOのDana Amir氏によって2020年初頭に設立された。Idan Amir氏は、F5 Networksに9500万ドルで売却されたサイバー企業「Versafe Ltd.」を含む複数の新興企業の設立に参加したシリアルアントレプレナーだ。Amir氏は、プレシード投資としてSpring Gamesに150万ドルを出資した。

「我々は、プレイヤーがゲームのNFTキャラクターを購入できるマーケットプレイスを立ち上げます。最初のゲームはMaxiBoomをベースに、プレイヤーが自分のスキルとゲームをプレイする時間に基づいて暗号資産と最終的にリアルマネーを獲得できるようになります」(Idan Amir氏)。

Playtikaの最高戦略責任者であるEric Rapps氏はリリースにてこうコメントしている。

「我々はSpring Gamesと一般的にイスラエルのゲーム業界、特にブロックチェーンにおける革新と起業の次の波を支援することを嬉しく思っています。IdanやLital、Dana、Drorは、勝利のチームです。Spring GamesはPlaytikaのゲーム運営に関する知識と経験を活用し、この新しい市場に最高品質の製品をもたらすと確信しています」。

同社は従業員15名でこれまでAmir氏の資金で運営してきた。Amir氏はGamesBeatへのメールで次のようにコメントしてくれた。

「私たちはイーサリアムやSolanaといった先進的なブロックチェーンに注目しています。どちらも素晴らしい技術的なレイアウトを備えており、我々の目的にかなう大きな可能性を持っています。ただ長所と短所があるので、トリッキーなプレイで特定のブロックチェーンとその周辺のソリューションを選択すると、私たちのプレイヤーの体験に大きな影響を与えますからあまり安易に変更を行うことはないでしょう。ただ、私たちは確かに、スマートコントラクトの力を利用して、私たちのゲーム通貨とプレイアブルアセットを統合するつもりです。仕様はまだ検討中であり、どのように行うかは我々の最終的な決断に大きく依存することになると思います」。

Spring GamesはPlaytikaの幹部とコネクションを持ち、重要業績評価指標(KPI)や会社の進化に関する最新情報を共有していた。それが、両社のつながりを確立するのに役立ったそうだ。「昨年10月にブロックチェーン/NFTにシフトする意思を共有する中で、Playtikaが興味を示し、交渉が今回の取引につながった」とAmir氏は語る。さらに今回の提携のきっかけについてAmir氏は、「Spring Gamesの最初のゲームがPlay-to-Earnのコンセプト(リアルな賞品あり)に近かったため、同社がブロックチェーンとNFTにシフトするのは自然な流れで、Playtikaがこの移行をバックアップするのも自然だった」と述べている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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