安心・安全なペットフードから総合ペットブランドを目指す「PETOKOTO」【Monthly Pitch!注目スタートアップ】

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本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載

Monthly Pitch!注目スタートアップではMonthly Pitch編集部と協力し、毎月開催されるピッチ登壇社から特に注目のスタートアップを毎週ご紹介していきます。

サービス概要:PETOKOTO は、保護犬猫マッチングサイトの「OMUSUBI」、情報の場としてペットライフメディア「PETOKOTO」、食事の場として「PETOKOTO FOODS」を運営。売上の主力である PETOKOTO FOOD は、フレッシュドッグフード、つまり、市販のドライのドッグフードとは異なり、新鮮な生の状態の食材が使われているのが特徴だ。PETOKOTO では、ペットのゆりかごから墓場までをサービスできる体制を目指し、PETOKOTO ID をコアにサービスを拡充し、事業の拡大を目指す。

Monthly Pitch編集部はココに注目:PETOKOTO 代表の大久保泰介さんは、イギリスで人々が犬や猫と暮らす生活を目の当たりにして動物への愛着が増すも、ペットの殺処分が年間数万件に及ぶ日本の現実を知り事業を立ち上げました。足がやや内股だった理由で保護施設で引き取り手を待っていたコーギー犬をペットに迎え、「人と動物が共に暮らせる社会を作りたい」思いを自身の生活の中でも実践しておられます。

ピッチ全文:株式会社PETOKOTOの大久保です。よろしくお願いいたします。本日はペットの話をさせて下さい。

皆さんの中にはペットを好きな方もいれば、飼ったことがない方や苦手な方もいらっしゃるでしょう。私も起業する3年前まではペットが苦手でした。しかし愛犬・コルクを我が家に迎え入れたことでペットが大好きになり、人生を捧げて起業することにしたのです。ぜひ今日は、ペットが自分の子供や家族だという感覚で聞いて下さい。

現在、家族としてペットと暮らす飼い主が増えており、これは世界的なトレンドとなっています。国内のペット飼育数は2,000万頭。ペットの数は子供の数よりも多く、さらにコロナ禍で新規飼育数は増加しました。またペットに関する国内年間支出額も、10年で35%増加しています。

しかしペット産業には大きな負が存在しています。それは、ペットを「もの」として捉えてきた産業だったということ。私の愛犬コルクは足が内股というだけでペットショップの流通から漏れ、0円の価値になっていた時に出会いました。様々なロス問題と同じように人間のエゴで飼い犬の命が供給され、いらないものは捨てられているような市場です。ものではなく家族だからこそ、私たちはペット産業全体のDXと家族品質の「FX(Family Transformation)」を通して変革します。

現在PETOKOTOが変革に挑戦しているのは食事です。今までのドッグフードはペットをものとして捉える食文化だったため、原材料には人間が食べない部位を使用していました。高温で加熱するため食材の見た目や味・栄養素は失われ、必要な栄養素は添加物で補っています。ラベルにはおおよその給餌量しか書かれておらず、間違ったカロリー摂取により日本の半分の犬は肥満と言われています。この食文化を変えるために私たちが展開するのが、人間も食べられるフレッシュドッグフード「PETOKOTO FOODS」です。

PETOKOTO FOODSには3つの強みがあります。1点目は徹底した透明性。農家と契約した国産食材を人間の食品工場で製造し、お客さまの食卓へ直接冷凍でお届けします。スチームで加熱して急速冷凍で製造するため、食材の見た目や香り・栄養素をキープしたまま無添加でお届けできるのが特徴です。

2点目は世界的に権威のある獣医師による栄養レシピです。世界のペットフードで一元使用されている栄養基準を作った獣医師と、アジアで独占契約を締結しています。

3点目はデータを活用したパーソナライズ管理です。初めにペットの体重や体形・年齢等の情報を入力すると、最適なカロリーを独自のアルゴリズムが自動で算出。愛犬の名前をパッケージにラベリングして、ご家庭にペットフードをお届けします。購入後もLINEでPETOKOTOの獣医師や栄養管理士に相談でき、一生涯の栄養管理をサポートします。

サービス開始から1年は自社チャネルのみでユーザーを獲得し、現在は広告も開始しました。チャーンレートや粗利LTV / CPA、Payback PeriodはD2Cでトップクラスのパフォーマンスとなっており、子犬から老犬まで幅広く好まれるように。疾患改善の声も多くいただいているため、2022年期から栄養の研究も本格的に進めます。

安価なCPAを実現している要因は、PETOKOTOが展開する2つの国内最大級メディアチャネルです。1つ目が保護犬猫マッチング事業「OMUSUBI」。潜在飼い主と保護団体を結ぶチャネルです。2つ目は獣医師など専門家が執筆するペットライフメディア「PETOKOTO」。MAUが国内最大級規模まで成長しており、効率的な送客に成功しています。

フレッシュフード市場は、アメリカではここ10年で既にペットフード市場全体の20%シェアの6,000億円に達し、CAGRは21%で急成長中。国内はまだニッチな市場ですが、全体ペットフード市場の成長率のほぼ10倍と、大きなシェア転化が見込めます。

OMUSUBI、PETOKOTO FOODS等の全ての顧客データは、PETOKOTO IDで一元管理しており、属性行動データが蓄積されてきています。このデータをフローで管理し、獣医師や栄養管理士によるオンラインサポートを通して、最適なタイミングでカスタマイズされたクロスセルを提案していく予定です。

中長期的にはペットウェルネスブランドとして、フード事業をコアにシナジーのある獣医療へと展開。関連する不動産や旅行、金融、保険市場にもパートナーシップを通じて拡大します。既に大手企業と取り組みが始まっているところです。

PETOKOTOはチーム全員が犬や猫の飼い主で、獣医師も揃っているペット愛にあふれた専門家集団です。ありがとうございました。

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