韓国発の給与前払サービス「Paywatch」、5億米ドル超をシード調達——フィリピン、インドネシアに進出へ

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Image credit: Paywatch

韓国、マレーシア、香港 で EWA(給与前払)サービスを展開する Paywatch は、シードラウンドで5.25米ドルを調達した。このラウンドは、アメリカの VC である Third Prime と、シンガポールと香港の名前非開示のファミリーオフィスがリードインベスターを務めた。また、SparkLabs、Won & Partners、CTK Investmentsも 参加した。この資金投入により、PayWatch は既存市場での規模を拡大し、フィリピンやインドネシアなど新たな東南アジア諸国への進出を果たすことができる。

オンデマンド決済は、個人が自分の経済的健康状態をよりよく管理できる現代的な方法として、アメリカで大きな支持を得ている。Paywatch がこのモデルを利用して、アジア全域で資金へのアクセスを民主化することは、非常に大きなチャンスだと考えている。(Third Prime のパートナー Michael Kim 氏)

Paywatchは、マスターカードの元カントリーマネージャー Alex Kim 氏と、HSBC(香港上海銀行)の元シニアバイスプレジデント Richard Kim 氏の兄弟によって2018年に設立された。

Paywatch 共同創業者:左から Alex Kim 氏、Richard Kim 氏
Image credit: Paywatch

このスタートアップは、雇用主や銀行と連携し、給料日前に稼いだ賃金に即座にアクセスできる機能を労働者を提供する。これにより、労働者は高金利の給料日前貸しを回避したり、予期せぬ経済的負担に対処したりすることができる。さらに、銀行口座を持たないユーザが銀行に直接アクセスできるようにする橋渡しの役割も果たしている。これまでに、マレーシアの Hong Leong Bank や韓国のハナ銀行など、アジア全域の5つの金融機関と提携しているという。

Bain & Company の推計によると、マレーシアの成人人口の約55%はまだ銀行口座を持たない、銀行口座を持てない(underbanked)、または、持たない(unbanked)人々だ。この割合は、他の市場ではさらに高くなる。イギリスの調査プラットフォーム「Merchant Machine」が2021年にまとめたデータによると、ベトナム、フィリピン、インドネシアが世界で最も銀行口座を持たない国のトップ10に入っている。

PayWatc hは、インドネシアの wagelyGajiGesa、ベトナムの GIMO といった他の地域企業とともに、EWA で労働者の経済的安定性を向上させることに倍旧の力を注いでいる。

【via e27】 @E27co

【原文】

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