ITエンジニア採用「TechTrain」運営、1.3億円をプレシリーズA調達——博報堂DYベンチャーズ、D4V、SMBC VCから

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TechBowl のチーム。中央が代表取締役の小澤政生氏。
Image credit: TechBowl

有名企業の IT エンジニアから実務が学べるオンラインコミュニティ「TechTrain」を運営する TechBowl は27日、プレシリーズ A ラウンドで1.3億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、博報堂 DY ベンチャーズ、D4V、SMBC ベンチャーキャピタル。同社にとっては、2018年12月に実施したシードラウンドに続くものだ。

前回取り上げたときには、まだコーポレートサイトも、Web サイトも存在しておらず、唯一存在するオンラインでのプレゼンスは、創業者で代表取締役を務める小澤政生氏が事業可能性について思いを綴った note のみだった。あれから3年余りが経過し、同社のフラッグシップサービスである TechTrain は、ユーザ数4,000名を超える巨大コミュニティへと成長した。

エンジニアの育成、採用支援を提供するサービスは少なくない。TechTrain を特徴づけているのは、U30(30歳以下)に特化していること、また、50社100名を超える有名企業のエンジニアに直接レクチャーやメンタリングを受けられることで、すぐに実務に就けるエンジニアを育てることだ。これまでに面談は累計5,000件を超え、200社以上のエンジニア採用を支援してきたという。

各社の CTO などが掲示しているワークサンプル集「MISSSION」。 LINE や GA technologies などの事例があるのがわかる。
Image credit: TechBowl

TechTrain のユーザは、プラットフォーム上で問題への解答実績などから5段階にランク分けされる。5段階中3以上であれば実務に就けるスキルがあるとみなされ、企業の担当者に面談の予約を入れられる。有名企業の現場エンジニアがレクチャーやメンタリングするため、スキルにブレのない現場に必要とされる人材が育成され、企業に紹介すると85%が書類選考を通過する結果を生み出した。

トレーニングと実務で求められるスキルやレベル感の違いは、IT エンジニアの世界に限った話ではない。TechBowl ではこのギャップを埋めるために、有名企業の CTO によるワークサンプル集「MISSION」を提供していて、中には有名企業で実際の新卒研修で出された課題をアレンジしたものも含まれ、別の有名企業ベテランエンジニアが解いてみせる事例も紹介している。

TechBowl では調達した資金を使って、TechTrain の開発投資、広告・マーケティング強化、人材採用を促進し、さらなるユーザ体験の充実・向上と組織体制の強化を実現するとしている。TechTrain が提供する機能の一部は、エンジニアを養成する専門学校や、非 IT 企業での人材研修や育成に活用したいとの声も寄せられているそうで、今後、販路の拡大にも注力するとしている。

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