アジアで3位健闘のユニコーン輩出国・韓国、若手投資家・起業家が特徴豊かなファンドを組成【Canvas 2月号(2月19日〜2月25日)】

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アジアで3位健闘のユニコーン輩出国・韓国、若手投資家・起業家が特徴豊かなファンドを組成

今週の話題(2月19日〜2月25日):Startup Recipe、韓国スタートアップの資金調達年次報告を公開——2021年の合計は前年比2倍の1兆1,800億円に
若手キャピタリスト渡邊拓氏、研究者と共同創業するVC「HERO Impact Capital」を設立——30億円規模の1号ファンドを組成Web3.0 起業家創出へ「Next Web Capital」WiLなど11億円出資、7人の若手起業家らが設立

2月というのは、年が明けてから1ヶ月以上が過ぎ、さまざまな前年の統計結果が出揃う季節です。韓国スタートアップの資金調達を伝える Startup Recipe の記事は毎週掲載しているのですが、今週は年に一度の報告書発表があり、特に日本の状況と比較してよく読まれる結果となりました。国を挙げてスタートアップ育成に励んでいる分、ユニコーンが何社いるかの発表もまた、民間の予測に加えて、政府の担当省庁(中小企業ベンチャー部)からも発表されます。韓国では昨年ユニコーンは7社増え計18社となりました。

今年に入っても、すでに数社がユニコーンになったとの話も伝え聞きます。それもそのはずで、韓国には時価総額ベースで1億〜10米ドルとされる、いわゆるユニコーン予備軍が350社以上いて、資金調達を通じて、ユニコーンとなる日を今か今かと狙っています。統計基準の違いから多少数は異なりますが、Statista 2022 によると、アジアの国別ユニコーン数は、中国133社、インド32社、韓国11社、インドネシア5社、香港と日本とオーストラリアがタイで4社となっています。

さて、年の初めということもあってか、今月は月初から新ファンドの組成や資金調達クローズが相次いでいますが、今週は特に若手の投資家や起業家が旗を振るファンドの発表が相次ぎました。日本の Web3 起業家7人により、シンガポールベースで設立されたファンド「Next Web Capital(略称:NeW)」。日本から世界に出張る Web3 スタートアップが数少ない中、後進の起業家を育てるべく奮闘します。また、今までに無かった研究者に寄り添って起業家へと育てるファンド「HERO Impact Capital」も楽しみです。

シードファンドの運営は手間がかかりますし、確率論から言って、シード投資家にとっての投資先の多くは、イグジットまで到達できないか、期待した通りのシナリオを歩むとは限りません。それでも、さらなる起業の可能性を掘り起こそうと、彼らは起業家予備軍やシードよりもアーリーなステージに投資の機会を見出すようになっています。Sequoia Capital は償還期限が事実上無制限になる Evergreen Fund のようなスキームを採用しましたが、保守的だったファンドの世界にもイノベーションの風が吹くかもしれません。

今週の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

水産養殖技術のウミトロン、ENEOSと資本業務提携——ブルーカーボン事業の共同研究を開始(2月24日)

  • ウミトロンは、ENEOS ホールディングス(東証:5020。以下、ENEOS と略す)と業務提携を締結し、ENEOS 傘下の投資子会社 ENEOS イノベーションパートナーから資金調達したことを明らかにした。調達金額は明らかにされていない。この出資を受けて、ウミトロンは ENEOS とブルーカーボン事業の共同研究を開始する。

大学研究室や研究機関の活動をDXする「Wizdom」運営、ジェネシアVから4,700万円をシード調達(2月24日)

  • PRES は、シードラウンドで4,700万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジェネシア・ベンチャーズと名前非開示の個人投資家複数。

製造業向け研究開発効率化SaaS「WALL」運営、Scrum VとDEEPCOREらから1.5億円をシード調達(2月24日)

  • SUPWAT は、シードラウンドで約1.5億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Scrum Ventures と DEEPCORE など。それ以外の投資家の名前については明らかになっていない。

「StartX」採択のエンタメ志向NFTメタバース開発Anifie、日本の投資家複数から資金調達し日本本格進出へ(2月24日)

  • Anifie( iOS アプリAndroid アプリ ) は、日本の投資家を中心に資金調達を実施したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、DG ベンチャーズ、PKSHA SPARX アルゴリズムファンド、サイバーエージェント・キャピタル、パーソル(東証:2181)、ブイキューブ(東証:3681)、KIM.Z ファンド(元 Droptokyo, The Fashion Post の沼澤裕太氏のファンド)のほか、個人投資家として、金當一臣氏(ドリーム・プロジェクト・インキュベーターズ創業者)、大冨智弘氏(ティルス代表取締役社長)、麻生要一氏(AlphaDrive CEO、UB VENTURES ベンチャーパートナー)、佐藤嵩一郎氏(弁護士・公認会計士)、Raline Shah 氏(女優)。

マニュアル&ナレッジ管理アプリ「toaster team」運営、プレシリーズAラウンドで1.3億円を調達(2月22日)

  • toaster team」を運営するnoco は、プレシリーズ A ラウンドで1億3,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Coral Capital、Headline Asia、プリコット・ベンチャーズ。noco にとっては、2020年10月に実施したシードラウンド(アプリコット・ベンチャーズ、STRIVE、VOYAGE VENTURES、名前非開示の個人投資家から7,500万円を調達)に続くものだ。

アジアのニュース

今月のアジアのニュースをお届けします。

中国のEVメーカー4番手Hozon(合衆)、1,450億円調達でシリーズDをクローズ——時価総額は4,550億円に(2月23日)

半導体設計のSEMIFIVE、クラウドMSPのMegazone、共に125億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(2月21日)

  • 半導体設計プラットフォーム「Semi Five(세미파이브)」が1,300億ウォン(約125億円)を調達した。SEMI FIVE の設計プラットフォームは半導体開発コスト・期間を半分以下に減らすことができると評価。Furiosa AI、Rebellions など国内 AI 半導体スタートアップが Semi Five プラットフォームベースで開発されている。
  • Megazone Cloud(메가존클라우드)が KT から1,300億ウォン(約125億円)を調達した。KT とのパートナーシップを強化し、クラウドインフラサービス、クラウドプラットフォーム、ソリューションサービスの分野でビジネス協力を進める。

Startup Recipe、韓国スタートアップの資金調達年次報告を公開——2021年の合計は前年比2倍の1兆1,800億円に(2月19日)

  • 「Startup Recipe」は、2021年の韓国スタートアップの資金調達動向に関する年次レポートを公開した。それによると、2021年に韓国のスタートアップに注ぎ込まれた資金は12兆2,800億ウォン(約1兆1,790億円)だった。2020年と比較して投資額は192%増加、投資件数は前年比55%増の1,272件を記録した。

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