コロナ禍の米国で急増する摂食障害をケアするEquip、シリーズBで5,800万米ドルを調達

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Image credit: Equip

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重要なポイント:摂食障害のケアを遠隔で提供する Equip は16日、The Chernin Group(TCG)がリードした5,800万米ドルのシリーズ B ラウンドでの資金調達を発表した。本ラウンドには、Tiger Global、General Catalyst、F-Prime Capital、Optum Ventures、.406 Ventures、Katie Couric Media も参加した。同社はこれまでに7,500万米ドルの資金を調達している。

詳細:摂食障害の治療に特化した Equip は、2019年にアメリカで Kristina Saffran 氏と臨床心理学者の Erin Parks 氏によって設立された。摂食障害を持つすべての人がゴールドスタンダードのケアにアクセスできるようにすることを使命としている。

  • 同社が提供するケアモデルは、摂食障害を脳の障害として認識させる包括的なサポートである「家族療法(FBT=Family-based Treatment)」に根ざしており、臨床と日常生活の組み合わせによる完全治癒を目指す。患者に対しては遠隔で5人のケアチーム——セラピスト、医師、メンター、ファミリーメンター、管理栄養士——が設定される。
  • この製品は現在、全米40州で展開され、主要な民間医療保険会社10社、およびメディケイド(連邦政府と州政府が共同で医療資金援助プログラム)と連携している。
  • 同社は今回の資金投入を機に、全米50州への進出と保険適用範囲の拡大を計画している。また、今年後半に発売予定の新製品の開発にも取り組んでいる。
  • Equip の CEO  兼共同設立者である Kristina Saffran 氏は、今回の調達に際し次のようにコメントしている。

摂食障害はアメリカ人の10人に1人がかかっている、2番目に死亡率の高い精神疾患です。しかし、この病気には偏見があるため、何千万人もの人々がいまだ助けを求めることができていません。Equipの使命は、一人ひとりが効果のある治療を受けられるようにすることです。そのためには摂食障害とは何か、どのような人に影響を与えるのかについて、人々の会話や認識を変えることから始めます。

背景:新型コロナウイルスの感染拡大は、摂食障害の人数を急増させている。アメっりかでは過去1年間で摂食障害の人の割合は70%増加し、入院患者数は2倍に増えたという。そうした状況にもかかわらず、摂食障害の治療を受けている人の割合は患者数のわずか20%にとどまっている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:池田 将

via  MobiHealthNews

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