医師向け臨床支援アプリ「HOKUTO」運営、シリーズAで8.25億円を調達——会員数は全国医師人口の1割に到達

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「HOKUTO」
Image credit: Hokuto

医師向け臨床支援アプリ「HOKUTO」を運営する HOKUTO は8日、シリーズ A ラウンドで8.25億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、グローバル・ブレイン、ジェネシア・ベンチャーズ、グリーベンチャーズ、East Ventures、個人投資家として田中良和氏(グリー創業者兼代表取締役社長)ほか。ジェネシア・ベンチャーズは前回ラウンドに続くフォローオン。累積調達額は11.25億円に達した。

HOKUTO は2016年3月、医療従事者のファミリー出身の五十嵐北斗氏らにより創業。医学生向けの国内最大の研修病院口コミメディア「HOKUTO Resident」と臨床支援アプリ「HOKUTO」を運営している。医療の進歩に伴い医学の情報量は増える一方だが、医師は患者と日々向き合うのに忙しく、論文に目を通したり、学会に出席したりする時間を十分に取れないことがある。また、製薬企業の営業担当者(MR、医薬情報担当者)との接点が減る中、〝向こうからやってくる〟情報に触れる機会も減っているという。

HOKUTO は、実際の臨床に基づいた情報をスマートフォンでも簡単に利用できるのが特徴。医師は PC の前に居なくても、スキマ時間を利用して簡単に最新の生きた臨床の情報を手に入れることができる。ユーザ母体に医学生が多かったこともあり、若い医師のユーザが多く、年齢層は30〜40代。ユーザ数は3万人に達しているというから、全国の医師人口が32.7万人であることを考えると、概ね10人に1人は HOKUTO を一度は使ったことになる。医師はサービスを無料で利用でき、コストは主に製薬会社のプロモーション費で賄われている。

HOKUTO のユーザ数は順調に成長を見せており、一方で、コロナ禍の対面による医薬品販売の訪問規制強化、製薬プロモーション市場におけるデジタル化のニーズ増加などが追い風となって、ビジネスモデルのもう片面である製薬会社からの引き合いも増えているという。同社では今回調達した資金を使って、事業やプロダクトの開発、人材採用に充当し、組織基盤の強化に取り組むとしている。

なお、BRIDGE でも取り上げたことのある医師の情報共有プラットフォーム「Antaa」を運営するアンター代表取締役の中山俊氏が先月、Antaa ユーザの医師のもとに、HOKUTO への情報投稿を促す連絡が HOKUTO 社員から届いたことを指摘、ソーシャルメディア上などで批判を浴びた。この件について、HOKUTO は公表されていた情報をもとに医師らに連絡をとったものだが、Antaa のスライド共有サービスがコミュニティ性の高い要素を持っていることへの配慮に欠けていたとして謝罪している

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