ユニコーンとなったKindbody、不妊治療クリニック「Vinos Fertility Institute」を買収

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左から:Annbeth Eschbach 氏(Kindbody コーポレート担当 CEO)、Gina Bartasi 氏(Kindbody 創業者兼 CEO)、Angeline Beltsos 氏(Vios Fertility Institute 創業者兼 CEO)、Greg Poulos 氏(Vios Fertility Institute  社長)

<ピックアップ> Kindbody Reaches Unicorn Status with the Acquisition of Fertility Clinic Network Vios Fertility Institute

重要なポイント:不妊治療をクリニックとオンラインのハイブリッドで提供する Kindbody は1日、不妊治療専門クリニック「Vios Fertility Institute」を買収したと発表した。Kindbody の評価額は11億5,000万米ドルとユニコーン水準に達している。

詳細:アメリカ・ニューヨーク発の Kindbody は、オンライン診察とクリニックでのオフライン診察を組み合わせた不妊治療や卵子凍結サービスを提供している。企業向けに福利厚生として従業員の不妊治療をサポートするサービスも提供し、2021年6月にシリーズ C ラウンドで6,200万米ドルを調達。総調達額は1億2,200万米ドルに達している。

  • Vios Fertility Institute は2015年に設立されたアメリカの不妊治療クリニックで、シカゴ、デトロイト、ミルウォーキー、ポートランド、セントルイスの各地域に13の拠点を持つ。今後 Vios Fertility Institute は Kindbody にブランド変更し、Kindbody が持つ患者ポータル、EMR(電子カルテ)、遠隔医療プラットフォームに連携し、シームレスにケアを継続できるようにする予定。
  • 今回の買収により Kindbody のアメリカ全土での拠点はこれまでの2倍の26クリニックとなり、2022年末までに40拠点に拡大する予定という。両社は2021年に合わせて約10,000件の不妊治療を行い、遠隔および対面サービスを通じて数千人の患者にサービスを提供したが、2022年にはその2倍の治療を提供することを見込んでいる。
  •  Vios Fertility Institute の創業者兼 CEO Angeline Beltsos 博士は今回の買収に関してtugiのようにコメントしている。

私たちは患者さんの UX 向上を使命とし、患者さんたちが夢見る〝家族を築く〟というビジョンを実現するために Vios を設立しました。今回の M&A でより多くの患者さんたちが、より良い体験をできるようになるでしょう。私たちは不妊治療と家族づくりのケアに革命を起こし、すべての人にとってより利用しやすい体験にする機会を得たのです。未来がどうなるのか楽しみです。

背景:CB Insights のレポートによると、2021年はデジタルヘルスケア分野における統合の記録的な年となり、M&A は2020年から44%増加した。アメリカのデジタルヘルス市場への投資額も2021年に急増し、過去最高の379億ドルに達した。さらに評価額が10億米ドルに達したグローバルデジタルヘルスのユニコーンの数も前年比49%増の85社に達し、過去最高を記録した。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:池田 将

via FemTech Insider

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