Sony Innovation Fund、最終目標250億円超の3号ファンドを組成——子会社ソニーベンチャーズも設立

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Image credit: Sony Ventures / Sony Innovation Fund

ソニーグループは17日、Sony Innovation Fund 3 L.P.(3号ファンド)の組成とファーストクローズを発表した

LP には、SMBC グループから三井住友銀行と SMBC 日興証券、みずほグループからみずほ銀行とみずほリース、大和証券グループ、三井住友信託銀行、横浜銀行、滋賀銀行、コーエーテクモグループからコーエーテクモキャピタル、川崎重工業、三菱地所、名前非開示の学校法人、ソニーグループが名前尾を連ねた。ファーストクローズまでに集まった金額については明らかにされていないが、最終的に250億円超を目指すとしている。

2016年に組成された1号ファンド(アーリー向け、100億円規模)、2019年に組成された2号ファンド(ミドル・レイター向け、160億円規模の Innovation Growth Fund。大和証券グループ本社の子会社である大和キャピタル・ホールディングスとの合弁会社 Innovation Growth Ventures による運営)、2020年に組成されたインパクトファンド「Sony Innovation Fund: Environment」とあわせると、最終的な AUM(運用資産残高)は600億円を超える見込みだという。

なお、今回、ソニーグループはファンドを運用する専門子会社としてソニーベンチャーズを設立したことも明らかにした。代表取締役には、Innovation Growth Ventures で CEO を務め、Sony Innovation Fund で Chief Investment Manager を務めた土川元氏が就任した。土川氏は、「高成長分野・高成長企業に投資するにとどまらず、ESG への取り組みもより一層強化し、CVC から発展した新たな形のベンチャーキャピタルとしてスタートアップの支援に取り組んでいきます。」とコメントしている。

Image credit: Sony Ventures / Sony Innovation Fund

Sony Innovation Fund は、ソニーグループの CVC という性格を持ちながら、ソニーグループ以外の企業からの出資も募るという興味深い運用形態が取られているファンドだ。今回の3号ファンドの LP にの中には、1号や2号ファンドの頃から、LP 参加している企業もいる。2016年の運用開始からこれまでに、同ファンドはスタートアップ15,000社をスクリーニングし5,000社に面談、うち120社に投資を実行し、そのうちの約4割と何らかの協業を行なっているという。

投資実行した120社の中からは、イグジット実績も6社出ている。大企業向け DX 支援のサンアスタリスク(東証:4053)、ゲームしながら使うコミュニティアプリ開発の Mobcrush(Super League Gaming により買収)、ロボアドバイザーのウェルスナビ(東証:7342)、ブロックチェーン動画配信ネットワークの THETA(仮想通貨売却)、デジタル治療薬のサスメド(東証:4263)、バイオリファイナリーの Green Earth Institute(東証:9212)だ。

ソニーベンチャーズでは、日本、EU、イスラエル、インド、アメリカに拠点を置き約30名体制で投資活動を進めていく。ソニーの事業部による支援や既存投資先、LP らとの連携により成長シナリオが見込めるスタートアップ、ソニーのグローバル事業プラットフォームにより営業拡を支援できるスタートアップ、ESG に理解が高く推進する意思のある経営層のいるスタートアップを中心に、多岐にわたるバーティカルで国内外のスタートアップに投資していくとしている。

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