AI駐車管制プラットフォーム「iParking」が95億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(2月7日~2月11日)

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本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

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2月7日~2月11日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは24件で、資金総額は3,365億ウォン(約320億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • 駐車管制プラットフォーム「iParking(아이파킹)」を運営する ParkingCloud(파킹클라우드)が1,000億ウォン(約95億円)を調達した。2015年に初めて AI 駐車管制を披露した iParking は全国22自治体で公営駐車場550ヶ所運営しシェア1位を占めた。調達した資金は、EV 充電ステーションなどモビリティハブ構築に活用する。
  • ブロックチェーンクラウドサービス「Luniverse(루니버스)」を運営する Lambda 256(람다256)が885億ウォン(約85億円)を調達した。累積調達金額は1,055億ウォン(約100億円)に達した。戦略的投資会社を中心に緊密な提携関係を締結し、ブロックチェーン関連事業の専門性を確保する予定。
  • 電動モビリティ共有スタートアップ Swing(스윙)がシリーズ B ラウンドで300億ウォン(約29億円)を調達した。今年中に電動キックボード・電気自転車・電気バイクなど10万台を配置し、配信サービス「DayRider(오늘은 라이더)」運営範囲を全国に拡大。昨年日本子会社を設立しており、日本進出を本格化する。
  • 現態管理ソリューション Shiftee(시프티)が BusinessOn Communication に280億ウォン(約27億円)で買収された。人材管理分野オープン API 構築ソリューションで、クライアントは15万社。BusinessOn は Shiftee 買収で既存の電子契約、給与決済などのソリューションと融合し、オールインワン HR サービスを提供する。
  • ゲーム会社 5 Min Lab(5민랩)が Krafton に買収。Krafton が 5 Min Lab の株式100%を238億ウォン(約23億円)で取得し、運営成果に応じて今後発生する利益を配分する予定。今回の買収は開発人材確保のための戦略。
  • メンタルヘルスケア「MindCafe(마인드카페)」を運営する Atommerrce(아토머스)がシリーズ B ラウンドで200億ウォン(約19億円)を調達。国内メンタルヘルスケアで最大規模。会員は100万人、調達した資金で精神疾患の非対面診療拡大、海外進出を計画。

トレンド分析

急激に普及しつつある週4日制に従うべきか?

生産的な労働環境と仕事と生活のバランスのための週4日制が世界中で大きな関心を集めている。コロナ禍で在宅勤務が一般化され、自由と効率性を経験した人々を中心に急速に広がっている。生産性は維持しながら、勤務時間は短縮する試験が複数の企業で進行中だ。最近はデカコーンを目指す e コマースフィンテックスタートアップの BOLT が週4日制を永久に推進すると明らかにした。

現在、従業員550人が勤めている BOLT は昨年9月から3ヶ月間試験的に金曜日勤務をなくして週4日制を実行した。試験後のアンケートでは94%が週4日制を支持し、84%は仕事と生活のバランスはもちろん、業務生産性も上がったと答えた。必要ないミーティングがなくなったという回答も80%あった。このアンケート調査の後、BOLT は週4日制を確定した。BOLT の従業員数は、試験運営を開始した9月以降、300人ほど増えた。これは顧客を増やしたことを受けた雇用拡大でもあるが、4日制転換で生じた業務調整を支援するために追加雇用を加速したものでもある。

BOLT は金曜日にも必要に応じて仕事をするようにしている。ただし、職員間のコラボレーションに関することは週4日に定めた。また、顧客に対面したり重要な役割を果たしている従業員は、勤務方法を調整して運営している。それ以外にも、Elephant ventures、Unilever(ユニリーバ)、クラウドファンディングスタートアップ Kickstater などが週4日制を推進または試験運営する予定だ。

 

週4日制は国家レベルでもデモンストレーションが進められている。スペイン、ニュージーランド、アイスランドなどで週4日制をデモ導入中だ。スペインは政府資金を投入し、給与削減なしで勤務時間を32時間に短縮する政策を昨年から推進、3年間試験する予定だ。アイスランドは労働人口1.3%を対象に試験した週4日制で86%が生産性は維持したままウェルネス、ストレスを改善したという研究結果を受け、短縮勤務に対する肯定的な根拠を設けた。

イギリスでは、30社が今年の夏から週4日制を実施し、結果を踏まえた後、法的に短縮勤務を検討するものと見られる。アイルランドも17社が週4日制を試験中で、これらは非営利団体「4day week global」を通じてパイロットプログラムに参加している。4day week は、賃金を削減することなく、勤務時間は短縮できるように生産性中心に業務を切り替える環境を追求している団体だ。

韓国でも52時間制が法的に施行されている。50人未満の事業場なら無条件52時間制を守らなければならない。しかし、これをめぐって意見が衝突している。大統領選挙でも52時間制は核心問題として浮上している。韓国では、海外のように希望する企業が、まず短縮勤務を行ったり、モデルプログラムによって得た結果に基づいて推進するのではく、画一的に52時間制度を適用したということが問題になった。52時間制が実現できるような環境が整っていない状態で、海外の事例を基に推進されたのだ。

中小企業は、急な短縮勤務義務事項に1年の猶予期間を要請たが、受け入れられなかった。中小企業中央会によると、求人難などを理由に中小製造企業の54%が52時間制が難しいと回答している。このような環境の中で、配達の民族(배달의민족)、Kakao Games、CJENM、Hunet(휴넷)など週4日制から週4.5日制などを実施するスタートアップ、中小企業、大企業など柔軟勤務制を実施するというスタートアップは増えている。

週4日制は時代の流れで拒否できないテーマになったように見える。スタートアップは、より良い人材を確保するための報酬として週4日制を試みるだろう。推進しているスタートアップも増える傾向にある。しかし、多くの企業が週4日制を推進できないのは、持続可能な生産性維持と賃金問題などが多様な問題が絡み合っているためだ。また、すべての従業員が満足できるわけではないという理由もある。

BOLT の従業員の94%が週4日制に賛成しているが、40%は短縮勤務でストレスを受けたと答えた。勤務時間に最大の効率を出すために業務だけに注力しなければならないという理由からだ。業務の短縮に伴う賃金削減に不満な従業員が出てきて、企業の立場では、追加雇用による人材補充も悩みの種だ。業種によって異なるが、韓国の製造企業は52時間制で追加人材を求めなければならないことを最大の難しさに挙げた。

また、サービス業種は比較的容易に週4日制に適応できるが、製造業など基幹産業では転換が容易ではないという点、十分な資金を保有している企業のみ転換費用を充当できるという点なども考慮すべき問題だ。専門家が週4日制は一日で成功できるわけではないが、時間をかけて試してみれば不可能なことではないと評価しており、企業は慎重な判断が求められている。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

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