インド発の仮想イベント基盤「Airmeet」、3,500万米ドルをシリーズB調達——日本からKOIFとDG Daiwa Venturesが参加

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Image credit: Airmeet

デラウェア州に本社を置く Airmeet は、企業が大きなイベントを真にバーチャルかつインタラクティブに行えるよう、専用のプラットフォームを提供している。

2020年当時、ソーシャルディスタンスが常態化したばかりの頃、「Google Meet」のようなプラットフォームがグループ会議の処理に大きな役割を果たしていた。しかし、何十万人ものゲストが参加する大掛かりなイベントの代替にはなりえなかった。そのため、YouTube のようなストリーミングサービスに切り替える必要があった。しかし、幸運なことに、一部の企業は必要な回避策をいち早く見つけ出していた。Airmeet もその一つだ。

パンデミックのわずか数カ月前に設立された Airmeet のエンゲージメント・プラットフォームは、リアルイベントの主要な側面を再現している。このプラットフォームでは、企業は一度に多数の顧客、見込み客、コミュニティのメンバーとつながることができるだけでなく、バックステージ、エンゲージメントブース、参加者間のスピードネットワーキング、スポンサーブランディング、イベント分析などの機能を利用することができる。

同社の共同創業者 Lalit Mangal 氏は、VentureBeat に次のように語った。

Airmeet は、参加者を10万人まで拡張でき、ウェビナー、ハイブリッド会議、トレードショー、ワークショップなどのマルチフォーマットのイベントをサポートし、総合的なエンゲージメントスイートを構築している。

その中核は、企業、マーケティング担当者、コミュニティ・ビルダー向けのソーシャル・ウェビナーと、イベント主催者、代理店、団体向けのカンファレンスという、プラットフォーム上で開催可能な2種類のスペースであると、同社は述べている。

Airmeet の提供する各種サービス

昨年1年間だけでも、Airmeet は驚異的な有機的成長を遂げ、12万人以上のイベント主催者が世界中で1億5000万分の動画放映を可能にした。この製品にサインアップした顧客には、Flipkart、Fifth Element Group、BMF Media、Unifrog Education、NPower Inc、University College London、Rotman School of Management、Zircon(Shell Oil)、Viacom CBS、テキサス工科大学健康科学センター、ミネソタ州立大学などがある。

現在、このプラットフォームは前月比30%の成長を続けている。

競合他社

Airmeet のサービスは、企業にとって大きなギャップを埋めるものだが、バーチャルイベントの分野をリードしようとする唯一のプレーヤーというわけではない。Airmeet のプラットフォームが登場したちょうどその頃、10億ドルの資金調達に成功した Hopin と Run the World という2つのイベントプレーヤーが登場したのだ。これに加えて、独自のバーチャルイベントを提供する Zoom や、オフラインのイベント技術から2020年3月にオンラインイベントプラットフォームにピボットした、創業5年のインドのスタートアップ Hubilo など、より著名なプレーヤーもいる。

このような競争の中で「Airmeet が現実のイベント空間を忠実に再現した唯一のプラットフォームである」と Mangal 氏は言う。同社の製品は、DIY カスタマイズ、コンテクスト機能、ビデオオンデマンド、広範な詳細分析を提供し、高い ROI で魅力的なイベントを実現することを強調した。さらに、没入型イベント空間で利用可能な唯一のAI駆動型スマートスピードネットワーキング技術でもあると付け加えた。

グロースとメタバースに注力

Airmeet は今日、Prosus Ventures、Sistema、Sequoia Capital India、RingCentral Ventures がリードしたシリーズ B ラウンドで、3,500万米ドルを調達したと発表した。この資金調達により、同社の総資金調達額は5,000万米ドルを超えた。

今回の資金調達により、同社は研究開発部門を拡大し、グローバル市場でのプレゼンスを強化することで成長を加速させる計画だ。

現在の当社の成長のほとんどは、北米と EU 領域におけるものであり、当社が獲得できる膨大な需要があると感じている。(Mangal 氏)

また、製品の認知度向上、市場参入の加速、戦略的な取り組み、メタバースに関する機会の探求に重点を置くとした。

メタバースは、我々のレーダーであり、没入型体験の次のステップだと信じている。パンデミックは、我々の働き方に著しい変化をもたらし、今後も続くであろうトレンドが採用された。リモートコラボレーションと分散型ワークライフの増加は、より没入感のある、魅力的な、インタラクティブな体験への需要をさらに高めるだろう。(Mangal 氏)

Markets and Markets によると、世界のバーチャルイベントプラットフォーム市場は、2026年までに年平均成長率12.7%で成長し、189億米ドルに達すると予想されている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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