2022年ユニコーン発表第1の波が到来、米中デカップリングで進む中国スタートアップの地元 IPO【Canvas 3月号(3月5日〜3月11日)】

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2022年ユニコーン発表第1の波が到来、米中デカップリングで進む中国スタートアップの地元 IPO

今週の話題(3月5日〜3月11日):電子書籍「Ridibooks」、カジュアルゲーム開発Haeginがユニコーンに——韓国スタートアップシーン週間振り返り(2月28日~3月4日)車載ソフトEcarx(億咖通)が米SPAC上場か、フィットネス「Keep」が香港上場へ——中国スタートアップシーン週間振り返り(2月28日~3月4日)

新年に入って2ヶ月が経過し、各国からユニコーンクラブ入りのニュースがちらほらと出始めました。日本では、今年に入って新たなにユニコーンとなったことが確認されたスタートアップの情報は聞いていませんが、韓国、中国、インドはユニコーン輩出の勢いが早くも顕著です。その中の一つである電子書籍「Ridibooks」は、ウェブトゥーン人気を背景に多額の投資を集めユニコーンとなりました。ドラマ化、映画化、各国市場向けローカル版制作など、幅広く売上が確保できるウェブトゥーンは投資家からも人気があります。

Image credit: Ridibooks

一方、人気を集める中国のフィットネスアプリ「Keep」は昨年1月に20億米ドルの時価総額(つまり、ダブルユニコーン)をつけていました。ソフトバンク・ビジョン・ファンドや Tencent(騰訊)の支援を受ける同社は、コロナ禍のロックダウンで運動不足になる人々にとっての救世主的存在となりました。2020年に平均190万人だった月額会員は2021年には330万人にまで増えましたが、それでも昨年は百数十億円の赤字を垂れ流しています。事業は良好のようなので、マーケティングコストへの投資額が大きいのでしょう。

Image credit: Keep

Keep は昨年、アメリカの市場に上場し5億米ドルの調達を目指すとされていましたが、いわゆる「米中デカップリング」の影響を受け、中国スタートアップのアメリカ市場からの上場廃止を横目に、現実的な香港市場への上場を決めたと見られます。ロシアのウクライナ侵攻と、そんなロシアと呉越同舟な中国の動きから、デカップリングはますます深刻度を極めるでしょう。中国スタートアップにはイグジットの選択肢がまだ残されていますが、ロシアのスタートアップは強力な潜在的イグジット先を失うことになっています。

今週の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

小型 SAR 衛生開発の Synspective がシリーズ B ラウンドでデット含め119億円を調達した。写真は2022年3月1日、ニュージーランド・マヒア半島の Onenui Station 射場から打ち上げられた小型 SAR 衛星2号機。 Image credit: Synspective

東北大発・ISSに代わる人工衛星開発のElevationSpace、3.1億円をシード調達——技術実証機の2023年打上げ目指す(3月9日)

  • 国際宇宙ステーション(ISS)に代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発する ElevationSpace は、シードラウンドで3.1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジェネシア・ベンチャーズ、みらい創造機構、MAKOTO キャピタル、リバネスキャピタル、東北大学ベンチャーパートナーズ、Plug and Play Japan。

再エネ発電事業者向け運用最適化プラットフォーム「Tensor Energy」、ジェネシアVから7,000万円をシード調達(3月8日)

  • 再エネ開発業者・再エネ発電事業者向けの、発送電や蓄電池クラウド運用プラットフォーム「Tensor Energy」を提供する Tensor Energy は8日、シードラウンドで7,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジェネシア・ベンチャーズ。

誰もがデザインに関われるようにするコミュニティサイト「Cocoda」運営、1.3億円をプレシリーズA調達(3月7日)

  • 誰もがデザインの力を身につけられるコミュニティサイト「Cocoda」を運営する alma は7日、直近のラウンドで1.3億円を調達したことを明らかにした。プレシリーズ A ラウンド相当と見られる。このラウンドに参加したのは、CVC と事業会社それぞれ1社(名前は非開示)、投資家として、関口裕氏(SmartHR コミュニケーションディレクター)、坂田一倫氏(Mentally CPO)、山下あか理氏(フリーランスデザイナー)。

プロフィールサイト「lit.link」とコミュニティSNS「WeClip」運営がシード調達、デット含め1億円(3月7日)

  • プロフィールサイト「lit.link」、コミュニティSNS「WeClip」を開発・運営する TieUps は7日、シードラウンドで資金調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Headline Asia、ANOBAKA、吉川徹氏(マイベスト代表取締役)と名前非開示の個人投資家。調達金額は、デットファイナンスを含め1億円。

アジアのニュース

今月のアジアのニュースをお届けします。

仮想通貨DeFiで稼げる「Cake DeFi」、メタバースやNFTスタートアップ向けに目標1億米ドル規模のVC設立(3月11日)

  • シンガポールに拠点を置き、DeFi のサービスやアプリケーションを一般消費者がより利用しやすくすることを目的としたフィンテック・プラットフォーム「Cake DeFi」は9日、1億米ドル規模を目指すベンチャーキャピタル(VC)部門 Cake DeFi Ventures の設立を発表した。

タイ発Web3エコシステムのGuildFi、YGG SEAが支援するPlay-to-Earnゲーム「Apeiron」に88万米ドルを出資(3月10日)

  • ゲーム、NFT(非代替トークン)、コミュニティの Web3 エコシステム「GuildFi」は、シンガポールのゲーム会社 Foonie Magus による NFT ベースの Play-to-Earn(遊んで稼ぐ)ゲーム「Apeiron」に88万米ドルを投資すると約束した。

ブロックチェーンゲームのYGG、フィリピンのデジタル銀行UnionDigitalと提携——P2Eコミュニティに金融サービス提供で(3月9日)

  • フィリピンを拠点とするブロックチェーンに特化したゲームスタートアップ Yield Guild Games(YGG)は、Union Group のデジタル銀行部門 UnionDigital と提携の覚書を締結した。この契約は、フィリピンの P2E(Play to Earn=遊んで稼ぐ)および Web3 コミュニティが金融商品やサービスを利用できるようにすることを目的としている。

豪NFTスタートアップImmutable、2億米ドルをシリーズC調達——Temasek、Animoca Brands、Tencent(騰訊)らから(3月9日)

  • オーストラリアに拠点を置くブロックチェーンスタートアップ Immutable は、Temasek がリードし、Animoca Brands とTencent(騰訊)が参加したシリーズ C ラウンドで2億米ドルを調達した。この取引により、同社の時価総額は25億米ドルに達した。

Binance(幣安)、法定通貨→仮想通貨の決済プロバイダ「Bifinity」を設立——企業の仮想通貨導入を後押し(3月9日)

  • 仮想通貨取引所 Binance(幣安)は、同社の公式なフィアット・トゥ・クリプト(法定通貨→仮想通貨)決済プロバイダとなる決済技術会社 Bifinity を展開した。

電子書籍「Ridibooks」、カジュアルゲーム開発Haeginがユニコーンに——韓国スタートアップシーン週間振り返り(3月8日)

  • 電子書籍サービス「Ridibooks(리디북스)」を運営する Ridi(리디)が1,200億ウォン(約114億円)を調達しユニコーンになった。国内最大規模の電子ブックサービス Ridibooks を運営し、サービス領域をウェブトゥーンに拡張し急成長した。
  • ゲーム会社 Haegin(해긴)が1,000億ウォン(約95億円)規模の資金を調達しユニコーンにになった。「Homerun Clash(홈런클래스)」「Overdox)오버독스)」などカジュアルゲームで、売上金額ベースで海外売上が90%記録した。

Geely(吉利)とBaidu(百度)の自動車技術スタートアップEcarx(億咖通)、米国でSPAC上場を検討(3月7日)

  • Geely(吉利)と Baidu(百度)が支援する車載ソフトウェアシステムサプライヤー Ecarx(億咖通)は、アメリカ上場の特別目的買収会社(SPAC)との合併を検討していると、Bloomberg が関係者の話として2日に報じた。
  • Keep は2月25日、香港でIPOを申請し、中国のオンラインフィットネス企業として初めて株式公開する見込みだ。2015年にローンチした Keep は、IPO 申請書類の中で、昨年の時点で月間アクティブユーザ数が4,000万人であると述べている。

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