世界の NFT と中国版 NFT の分断、奨学金モデルを追い風に「Axie Infinity」がNFTゲーム売上で最健闘【Canvas 3月号(3月19日〜3月25日)】

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世界の NFT と中国版 NFT の分断、奨学金モデルを追い風に「Axie Infinity」がNFTゲーム売上で最健闘

今週の話題(3月19日〜3月25日):NFTアートとは呼ばせない、中国のデジタルコレクティブル・プラットフォーム——主要プレーヤーを一挙紹介2021年のNFTゲーム売上は51.7億米ドル、「Axie Infinity」の奨学金システムが健闘か【Nonfungible.com報告書】Play-to-Earn 総本山「YGG」が日本進出ーー国内でDAO型ゲームギルド展開へ

Via Flickr by Marco Verch Professional Photographer. Used under the Creative Commons Attribution 2.0 Generic License.

世界最大の仮想通貨取引所は Binance(幣安)でした。以前は Binance といえば、仮想通貨(トークン)発行者やチェーンの運営者が多くを占めていましたが、今では Binance Chain で扱われていうチェーンの多くが NFT になっています。つまり、仮想通貨も NFT もブロックチェーンをベースとしたアプリケーション(用途)であるので比べるものではあありませんが、それでもトレンドが NFT へと移ってきていることがわかります。ブロックチェーンの最終的ユーザは、投資家ではなくファンに移行しつつあります。

そんな中で出てきた Nonfungible.com の報告書ですが、Axie Infinity というベトナム発のスタートアップが作ったゲームが NFT を席巻した結果が明らかになりました。遊びが収入源になること(Play-to-Earn)、ノンバーバル(言葉を使わない)コミュニケーションがこの結果を導いたとする見方もありますが、今のところ理由は定かではありません。元手が無い人に種銭を貸して楽しんでもらう奨学金の制度もうまく作用しているようです。

Image credit: YGG Japan

一方、こうした NFT ゲームのプレーヤー集団からなる DAO 型ゲームギルドが日本に初上陸しました。Yield Guild Games(YGG)です。YGG に集まったプレーヤーの数は、24カ国から10万人以上。前出の奨学金モデルを展開したことが彼らを成功に導きました。生活費が相応に高く、お金というものへのアクセスも比較的容易な日本で、Play-to-Earn がどれだけ刺さるかはわかりませんが、e スポーツやゲームなどに熱狂する人々がこちらに流れてくることも十分に考えられるでしょう。

今週の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

郵便物受取のクラウド化「atena(アテナ)」運営、1.25億円をシリーズA調達——千葉道場、Scrum V、Coralから(3月25日)

  • 郵便物受取の代行や管理をクラウド化するサービス「atena(アテナ)」を運営する N-Technologies(N)は、シリーズ A ラウンドで1億2,500万円を調達したことを明らかにした。このラウンドは千葉道場ファンドがリードインベスターを務め、Scrum Ventures と Coral Capital が参加した。

法律トラブル解決支援プラットフォーム開発のキビタス、8,000万円を資金調達——XTech V、ANOBAKA、クオンタムリープVから(3月25日)

  • 法律トラブル解決支援(ODR=Online Dispute Resolution)プラットフォームを開発するキビタスは、直近のラウンドで8,000万円を調達したと発表した。調達ラウンドは不明だが、同社にとっては、2021年1月に実施したシードラウンドでの6,500万円(デットを含む)の調達に続くものだ。

スタートアップ向け売上連動型ファイナンス「Flex Capital」が正式ローンチ——5.1億円のプレシリーズA調達も

  • フィンテックスタートアップの Fivot は、レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF、売上連動型ファイナンス)「Flex Capital」を正式ローンチしたことを明らかにした。なお、これと併せて、同社はプレシリーズ A ラウンドで5.1億円を調達したことも明らかにしている。このラウンドに参加したのは、Angel Bridge、マネックスベンチャーズ、キャナルベンチャーズ、 POLA ORBIS CAPITAL、DEEPCORE、ANOBAKA、East Ventures。調達金額にはデットが含まれる。

コロナ禍でも2年間で売上3倍——宿泊・滞在事業展開のmatsuri technologies、20億円をシリーズC調達(3月24日)

  • 空き家を宿泊・滞在施設に生まれ変わらせる「StayX」展開する matsuri technologies は、シリーズ C ラウンドで約20億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、産業革新投資機構(JIC)傘下の JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ(JIC VGI)、地域経済活性化支援機構(REVIC) の出資先である RFI アドバイザーズ、三菱 UFJ キャピタル、SMBC ベンチャーキャピタル、デジタルガレージ(東証:4819)傘下の DG インキュベーションの ESG ファンド「Earthshot ファンド」、三菱地所(東証:8802)。

スタートアップのバックオフィス業務をオールインワンでクラウド化するWORK HERO、1.4億円をシード調達(3月23日)

  • スタートアップに特化してバックオフィス業務クラウド化するサービス「WORK HERO」を提供する WORK HERO は、シードラウンドで1.4億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Coral Capital、East Ventures、ニッセイ・キャピタル。

Webサイトに訪問した見込客に対話型営業ができる「Quicker」運営、ジャフコやXTech Vから3.2億円をプレシリーズA調達(3月23日)

  • B2B 企業の Web サイトを Web 営業・訪問者分析 SaaS「Quicker(クイッカー)」を提供する 9seconds は、プレシリーズ A ラウンドで3.2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジャフコ グループ(東証:8595)、XTech Ventures。これは同社にとって、2021年にアプリコット・ベンチャーズ(当時。現在の mint)から3,000万円を調達したラウンド(シードラウンドと推定)に続くものだ。

アジアのニュース

今月のアジアのニュースをお届けします。

メタバース関連各社が大型調達、配膳ロボットBear Roboticsが98億円を調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(3月20日)

  • 自動運転ロボットスタートアップ Bear Robotics(베어로보틱스)がサービスロボット業界で最大規模の1,000億ウォン(約98億円)を資金調達した。2020年から給仕ロボット量産し、ベーカリーチェーン「PARIS CROISSANT」、CJ グループのレストランチェーン「VIPS」など国内外の外食ブランドで使用されている。調達した資金を使って、製品群の多様化とグローバル市場向けにロボット供給を拡大する予定。

配車アプリ「Didi(滴滴出行)」、2023年にコンシューマ向けEVを発売など——中国スタートアップシーン週間振り返り(3月20日)

  • 地元メディア Cyber-car(賽博汽車)は15日、関係者の話として、Didi(滴滴出行)が中国の電気自動車市場に参入するための取り組みを強化し、急成長する消費者向け EV 分野をターゲットにした最初のモデルを開発する計画だと報じた

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